<阪神2-0巨人>◇9日◇甲子園

 開幕から7連勝中だった巨人が、今季初黒星を喫した。阪神能見の低めの際どい球が、ことごとくストライクの判定。低めの球の見極めに苦労した打線は、10三振を奪われ完封された。1安打を放った村田も「能見さんの低めの球が、手をつけられなかった」。好調の脇谷も「懸命に見極めようとしたんだけど、最後の打席は低めに手が出てしまった」と悔やんだ。

 吉本球審は、広めにストライクをとっていた。それは両チーム平等な条件。だが、投手と野手という考え方ならば、投手有利の条件と言える。好調だった巨人打線の優位さが消えたという意味では、巨人にとって痛かった。原辰徳監督(54)は「かなり打者にとっては厳しい判定がありましたけども、いいピッチングをされました」と、そのゾーンをうまく使った相手投手をたたえた。

 能見は直球を多めに使い、変化球でかわす昨年のイメージから変えてきた。ストライクゾーンがいつもより広めだったから、それも効いた。橋上秀樹戦略コーチ(47)は「変えてくる部分は想定内だった。ただ、ストライクゾーンも広めに取られていて、制球もよかった。やられたら、しっかり対策を練るのがリーグ戦の戦い方。謙虚に受け止めたい」とした。

 今の巨人は1つ負けても動じない。球団記録の更新を逃した原監督は「今日の精神状態と同じで、明日になれば、フラットな気持ちで戦うということですね」と、初黒星も淡々と受け入れた。【竹内智信】