<日本ハム1-9楽天>◇9日◇東京ドーム

 マー君に完敗。日本ハムのルーキー大谷翔平投手(18)が、9日の楽天戦に「7番右翼」で先発フル出場し、田中に3打数無安打2三振と封じ込まれた。第1打席は1球も振ることなく見逃し三振。併殺打を挟み、第3打席はオール直球勝負を挑まれ空振り三振に終わった。試合前にブルペン投球をこなした後に挑んだ球界のエースとの対決を、今後の糧にする。

 一流の力に圧倒された。技に屈した。楽天田中に完敗の大谷は、貴重な対戦経験を楽しんでいた。すがすがしく、振り返った。

 大谷

 全体的に迫力がある投げ方ですし、オーラもすごいなと思います。ストレートは(今まで対戦した投手で)一番速かった。打席の中で、勉強になりました。

 試合にも敗れ、当然悔しさはある。だがそれよりも、プロの世界でこの先戦っていくことに、ワクワクする感覚を覚えていた。

 最速160キロ右腕も、田中の速球に“威圧”された。初対決となった3回の第1打席。3ボール2ストライクからの6球目は、内角胸元をえぐる144キロ直球。体をねじり、腰を引いてよけた。四球を確信し、一塁へ1歩、近づいた。判定はストライク。「ボールだと思った。いいところに来ました」。まさに、手も足も出なかった。

 7回には全球その真っすぐで攻められ、最後は150キロ直球に、バットはかすることもなく空振り三振。「真っすぐ(勝負)とわかっていたけど、当たらなかった」。5回1死一、二塁の好機にも、外角の直球をバットの先でひっかけて、遊撃へプロ初の併殺打に倒れた。「打ったというより、打たされた」。対戦は全12球。すべてのボールで、力の違いを痛感した。

 野球に熱中していた小学6年の夏、衝撃を受けたのが、テレビ中継で見た甲子園決勝戦だった。駒大苫小牧のエースだった田中が、今はチームメートとなった早実・斎藤と投げ合った。引き分け再試合。力投する2人に、目を奪われた。「僕らの世代のあこがれでした」。同じ舞台には立った。だが、勝負にはならなかった。

 明日11日のイースタン・リーグのロッテ戦(QVCマリン)に先発登板するため、この日の試合前はブルペン入りして34球の最終調整を行った。投球練習後には右肩をアイシングしたためシートノックには入ることができず、フリー打撃も行わなかった。攻守ともに“ぶっつけ本番”。それでも「裏でマシンを打って準備はしていました」と言い訳にはしなかった。

 大谷

 (田中は)僕の打席だけじゃなくて、走者が出たときとかもすごいなと思いました。打てるように、練習していきたいです。

 次回対戦までに、レベルアップを誓った。そして「投手・大谷」としても、最高のお手本に出会った。負けた。完敗だった。でも、有意義な夜だった。【本間翼】