<中日2-4ヤクルト>◇10日◇ナゴヤドーム

 4番の責任感だった。0-0の6回表2死満塁。ヤクルト畠山和洋内野手(30)が、中日ブラッドリーのチェンジアップに食らい付く。打球は右中間へ走者一掃の先制二塁打。2点差に詰め寄られていた9回表には左翼席へ3号ソロ。新人・小川の2勝目を全打点で援護した。

 不振でも気持ちが入っていた。6回の攻撃前、ベンチ前では円陣が組まれ、全員でつなぎの意識を深めた。「みんなでつないで、回ってきたチャンス。集中して打席に入っていけた。逆らわずに打ち返すことができた」。4番を信じてつないでくれたナインへ、そして小川への思いがあった。「頑張っていたし、新人だし、点を取らないとかわいそうだと思った」。この試合前まで打率2割1分1厘。ひと振りで存在感を取り戻し、塁上では自然とガッツポーズが出た。

 乗れば、止まらない。最終回には左翼席へ125メートル弾を放り込んだ。「出塁しても代走かなと、思い切っていった」と話す。前日9日の中日戦では先発の山本昌に47歳7カ月での白星を献上する完封負け。自身だけでなくチーム打率も低迷する悔しさを払いのけた。

 明日12日の巨人戦(東京ドーム)からは、左内転筋肉離れで戦列を離れていたバレンティンが1軍復帰する見込みだ。4番を争う相手になるが、畠山は「やることは一緒。チーム内で競うつもりはない。『4番を打つならどうぞ』という感じ」。打順が変わろうと、チームを勝利に導く強い思いが変わることはない。