<日本ハム6-0楽天>◇10日◇東京ドーム

 試練は簡単には乗り越えられなかった。楽天釜田佳直投手(19)が、日本ハム戦に先発し、5回8安打5失点で2敗目を喫した。1回に先頭打者への四球から先制点を与えると、2回以降も立ち直れず、4回まで毎回失点を重ねた。直球は130キロ台後半が大半で、制球も甘かった。3回1/3で8失点した4日オリックス戦に続き、2試合連続のKO。2年目の右腕が正念場を迎えた。

 マウンドを降りる姿が痛々しかった。釜田は足取り重く、時折うつむきながらベンチに戻った。最速153キロを誇る直球が走らない。ほとんどが130キロ台後半で、ことごとくはじき返された。得意のスライダーも制球が定まらなかった。5回8安打5失点。2試合連続KOという結果に、「こういう現実をしっかり受け止めて、いろんなところを見つめ直したい」と言葉を絞り出すように話した。

 悔しさを晴らすはずだった。登板前日、珍しく口数が少なかった。普段は取材に丁寧に答えるが、練習後に意気込みを問われると「頑張ります」のひと言でベンチ裏へ引き揚げた。「口ではなんとでも言えるので。結果を出すしかないんです」。とにかく勝つことにこだわっていた。

 今季初登板の4日のオリックス戦後、星野監督に小さくまとまったフォームを「引退前のオッサンが投げてるみたい」と酷評された。あれから中5日。「またオッサンと言われないように」と、映像を繰り返し見るなどフォーム修正に取り組んだ。この日は「しっかり腕を振ることを意識した」と思い切って投げた。だが、結果は伴わなかった。

 この試練は自力で乗り越えるしかない。リードした嶋が「あいつの良いところは腕を振って、打者に向かっていくところ」と話すように、度胸満点の投げっぷりで1年目に7勝を挙げた。さらに成長しようと、昨オフからフォーム改善を決断。ここまでは裏目に出ているが、星野監督は「自分でなんとかしないと」と、奮起を促した。

 光は見えてきている。釜田は「少しずつ手応えはある」と言い、佐藤投手コーチも「兆しは出てきてるけど、そうすぐにはね」と復調の気配があることを認めた。次世代のエースとしても期待される2年目の右腕。次こそ見返すしかない。【斎藤庸裕】