<阪神3-0巨人>◇11日◇甲子園
阪神鳥谷敬内野手(31)がスコアレスドローの余韻を一瞬で消した。初回だ。1死二塁で打席が巡る。巨人沢村の直球を鮮やかに流し打った。西岡が三塁ベースを蹴った。
「先に点が取れたんで。昨日は引き分けになってしまったから。ツヨシが出て、大和が送ってくれた。何とかしたかった」
今季2打点目は初のタイムリーになった。俊足トリオは阪神の新しい売り。電光石火の先制劇で、試合の流れを引き寄せた。
昨夜の杉内に続いて、この日の沢村に対しても、第1打席で快音を響かせた。昨日の友は今日の敵。「侍対決」だった。先発右腕のことを聞かれると鳥谷はこう答えた。「WBCでずっと見ていたんで」。日本代表として1カ月以上を過ごした。主に二塁の守備位置から、投げる姿は見ていた。シーズンが始まれば、倒さなければならない宿敵になる。日の丸の残像が、目に焼きついていた。そしてバットで打ち砕いた。
タイムリーに浮かれることなく、走塁でもバッテリーを揺さぶった。初回、続くマートンの打席では何度も盗塁を狙うそぶりを見せた。「次の塁は常に狙っている」。小さな積み重ねがG倒という結果に表れた。一時は打率1割台に落ち込んだ。前夜のマルチ安打から浮上の気配が漂う。巨人を踏み台にしたことは、何よりも大きい。貯金生活突入には、3番鳥谷の働きが必要不可欠だ。【田口真一郎】



