黄金ルーキーがいよいよ復帰する。右足首捻挫で戦列を離れていた日本ハム大谷翔平投手(18)が、今日4日の西武戦(西武ドーム)で1軍に再昇格する。3日、故障後最多となる91球のブルペン投球を行い、その後イースタン・リーグ非公式戦(鎌ケ谷)に野手として途中出場し、左中間へ適時二塁打を放った。復活の舞台は、鮮烈デビューを飾った開幕戦と同じ、敵地西武戦で相手は岸。ヒーローインタビューに立ったあのときの再現を狙う。

 あの感動と興奮がよみがえる。右足首捻挫で離脱していた大谷が、プロ初打点デビューを飾った開幕戦と同じ、敵地西武戦で1軍に復帰する。

 大谷

 チームは波に乗っていると思うので、自分も貢献できるように、元気を出していきたいなと思います。(西武ドームは)悪いイメージはない。いいイメージを持って打席に立ちたいです。

 相手の先発もあのときと同じ岸。栗山監督は「呼んだらすぐ使うのがオレのパターンだけど、体の状態を見て決める。戦力として、ちゃんとやってくれるとオレは思うけど」と、起用には慎重な姿勢を崩さないが、大谷は「(2軍調整中に)やってきた成果を出せるように」と意気込んだ。

 「やってきた成果」の一端は、この日の試合でも出た。イースタン・リーグ非公式戦(鎌ケ谷)に途中出場し、2四球後の第3打席、左腕のDeNA真下から左中間へ適時二塁打を放った。2ストライクと追い込まれたカウントから、初めて投じられた109キロのカーブに対応した。2軍に降格後、まだ全力プレーができないころから取り組んできたのが、スイングの際のトップの位置の修正。若干高くし、体に近づけた。「しっかり打てたのでよかった」と手応えを口にした。

 試合前には、故障後最多となる91球のブルペン投球を行い、直球のほかカーブ、スライダーの感触を確かめた。「痛くもないです。後半どんどんよくなったのでよかった」。リハビリ中に行った体幹トレーニング。「(ケガで)足が使えない分、そういうところをやってきた」。時間があった分だけ、体は強くなった。

 昇格後も、7日にはファームの巨人戦(ジャイアンツ)で先発登板し、2イニングをメドに投げる予定が組まれている。アクシデントでストップしていた二刀流挑戦という壮大な物語が、また時を刻みはじめた。【本間翼】