<日本ハム2-1巨人>◇20日◇札幌ドーム
15年ぶりにリベンジした。日本ハム木佐貫洋投手(33)が古巣巨人戦に初登板し、7回5安打1失点。鹿児島・川内(せんだい)時代のライバル杉内(鹿児島実)との投げ合いで移籍後の本拠地初白星を飾り、史上12人目の12球団勝利をマークした。北の大地で薩摩隼人(はやと)の熱い勝負が繰り広げられた。
1球1球に、いろんな思いを込めた。木佐貫が古巣に、かつてのライバルに、そして記録のプレッシャーに勝った。初めての本拠地でのお立ち台での第一声。「超緊張しました」と、本音が出た。背負っていた肩の荷を下ろすと「節目の1勝もうれしいですけど、ここで勝ててうれしかった」と、朗らかな笑みを見せた。12球団勝利の達成より、札幌ドームでの1勝が最大の喜びだった。
待ちに待った対戦だった。オリックス時代、巨人相手に投げることはなかった。当時の岡田監督の方針だったという。「『(巨人戦には)よう投げささん』と」。理由までは聞かなかったが、古巣相手の登板は意図的に組まれなかった。11年に日本ハムから初勝利。全球団からの白星に王手をかけたが、方針はぶれなかった。もちろん、不満はなかったが「ようやく、という感じですかね」。4年越しの初対決を心待ちにしていた。
15年ぶりの投げ合いも制した。杉内には高3だった98年夏の鹿児島大会決勝で敗れていた。苦い青春の1ページが北の大地を舞台に再現されることが決まり「高校時代のチームメートから『頑張れよ』とメールが来ていた」と言うように、当時の仲間の思いも背負っていた。何度も得点圏に走者を背負っても粘った。6回にはロペスを空振り三振に奪うと、派手にガッツポーズ。「年がいもなく、出てしまいました」。気持ちを前面に出して、プロ初対戦でリベンジに成功。「一緒に汗を流した仲間。心を込めて(メールを)返信します」と律義に話した。
大きな節目は、ともに移籍してきた盟友が後押ししてくれた。一緒に、新天地へやってきた後輩の1発で、史上12人目の12球団勝利となった。「大引はですね、あとで何か袖の下に入れておこうかな」と感謝いっぱいに笑った。
03年にプロ生活をスタートさせた巨人には「感謝の気持ちしかない」という。恩返しの投球で、チームは本拠地で連勝し、交流戦の星も五分に戻した。栗山監督も「うまく心の中をまとめて向かっていってくれた」とたたえた。木佐貫にとっても、大きな弾みになる1勝となった。【木下大輔】



