<中日3-5ヤクルト>◇7日◇ナゴヤドーム
ヤクルトに敗れて首位巨人と今季最大の14・5差が開き、守道竜の自力優勝が消滅した。代打藤井の拙攻やスクイズ失敗など、同点後の7回無死満塁で無得点、さらに交代投手に代打を送れないなど采配もすべてが裏目。高木守道監督(71)も「自力なんてとても優勝できません。他力しか」とヤケ気味で、勝ち切れない今季を象徴する敗戦だ。球宴前の自力V消滅は08年以来。道が開けるには本当に「他力しか」ないのか。
岩瀬の真っすぐは、無情にも代打田中浩にはじき返された。続く山田には押し出し四球で2点目。10回2死満塁をしのげず、守護神の初黒星で守道竜の自力Vは消滅した。だが高木監督は「こういう時もある」と責めなかった。そして吐き捨てるように言った。「自力なんてとても優勝できません。他力しか。優勝どうこうなんて状況じゃない」。余りにむなしい七夕だ。
勝ち切れない今季を象徴する敗戦だ。3点のビハインドも7回に追いついた。なお無死満塁の好機。だが一気の逆転ムードは、代打藤井の浅い中飛でしぼんだ。「なんで初球、泳いで打たなあかんのや!」。監督の怒りのもとは、青息吐息だった村中を楽にさせた“あり得ない凡打”。焦った監督のカンピュータ采配もあり得ない方に迷走した。
1死満塁で大島。だが制球難の村中に対し、出したサインは1ボールからのスクイズ。勝負の2球目は外角低めにそれて大島が空振り。三塁走者は憤死した。「コントロールのない投手。ゆっくり攻めてもいいケースだった。(ストライクが)来るだろうと思ってた。悪い時に出してしまった」。監督は采配ミスをざんげ。結局勝ち越せず、流れは相手に渡った。
選手のやりくりも裏目裏目だった。9回の攻撃は投手の中田賢が打席に立って二ゴロ。当然10回も続投と思われたが、「投手岩瀬」のコールにドームがどよめいた。ベンチには故障欠場のルナと松井雅しかおらず、野手15人中13人を使っていた。この日の入れ替えでは松井佑、小田、福谷と3人の出場選手登録を抹消したが、昇格は前田と岩崎の2人だけ。実際1枠空いており、野手を1人残していれば中田賢に代打を送ることができた。「そんなことはええ。おるのでやればいいんだ」。監督はぶっきらぼうだったが、もったいない弾切れの仕方だった。
借金は今季最多タイの11。巨人とは14・5差。4位広島が敗れ、CS圏内の3位にいるのが、七夕様からのせめてものプレゼントか…。大逆転優勝への道は、険しく遠い。【松井清員】



