起用法で如実に見える立ち位置は「第3捕手」ながら、西武柘植世那捕手(29)はこういう働きが光るから欠かせない戦力だ。

1点を追う5回、ソフトバンク松本晴から左翼席へ同点本塁打。「4年ぶり、みたいらしいっす」とひとごとのように振り返る。「その後、粘って守れなかったのが悔しいです」と捕手として唇をかむ。

打ちたい-。かつて自主トレで弟子入りした中村剛也内野手(42)が1軍合流したこの日、師匠の前での1発だ。「ボールの外側を打てとか、しっかりタイミング取れ、とかしみついていることはたくさんあります」。今年は岸潤一郎外野手(29)と自主トレした。「スイング軌道とか教えてもらって」。ここまで打率3割超。数年にわたる練習の成果をしっかりと出し始めている。

同じ群馬出身の高橋光成投手(29)とのバッテリーでもスイーパーを大胆に使いながら、直球を生かした。本塁打は「光成さんが頑張ってくれているので、どうしても勝ちをつけたくて」。そんな思いでの同点弾でもあったから、最終的に負けたのは「首位のチーム相手で、やっぱり1戦目に勝たないと優位に立てないので」と悔しがる。

ロッカールームに引き揚げながら、振り向いて「(母校の)健大(高崎が)勝ったから、今日勝てると思ったんですけどね」と苦笑いする。少しでも冗談めかして空気を良くしようと努めたが、懸命にプレーしているだけに、胸の内に押しとどめる悔しさは察するにあまりある。【金子真仁】

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