藤浪の白星量産が優勝を呼ぶ!
阪神藤浪晋太郎投手(19)が11日、プロ入り初めて自らの目標を公言した。既に5勝を挙げる右腕の照準はズバリ10勝。入団以来、数字の個人目標は封印してきたが、逆転優勝の原動力になるべく、2桁勝利へ意欲をにじませた。5連勝中のチームは、今日からDeNA、巨人と甲子園で6連戦。藤浪は14日DeNA戦で初ナイターに臨む。
炎天下で黙々と走った。甲子園の右翼ポールから中堅フェンスまで、何度も駆けて下半身を鍛え抜く。勝負の季節を前にして、ルーキーながら自覚に満ちていた。受け答えにも変化が表れた。これまで具体的目標を口にしなかったが、この日は違う。
「2桁勝てれば、チームも優勝というか、いい成績につながると思います。自分に勝ち星がつかなくても、投げた試合でチームが勝てればいい」
きっぱり言い切った。黄金ルーキーが目指すのはズバリ10勝だ。前回登板の7日広島戦(マツダスタジアム)で5勝目を挙げ、尊敬するダルビッシュ(レンジャーズ)が日本ハム時代、高卒1年目だった05年にマークした勝ち星に並んだ。「ダルビッシュさんどうこうというより、自分のことが大事なので。次が前半戦最後になると思いますし、思い切っていきたい」。まだ通過点-。いまは、プロ初ナイター登板となる14日DeNA戦(甲子園)に全力を注ぐ。
藤浪の剛腕ぶりに注目するのはナインや虎党だけではない。米国を中心に、全世界にメディアネットワークを持つFOXグループが高卒ルーキーの活躍にスポットを当てることが明らかになった。この日、傘下のFOXスポーツジャパンのスタッフが甲子園を訪れ、同社解説者の吉井理人氏(前日本ハム投手コーチ)が直撃インタビュー。同社担当者は「藤浪投手には華があります。人をひきつけるものを感じる。藤浪投手の投げる試合なら注目して見たいというファンも多いはずです」と説明する。
なんとも、スケールの大きな話だ。FOXは全米を中心に全世界に映画、ニュース、ドラマなどを配給する巨大メディアだ。FOXスポーツは今年3月に日本へ上陸したばかり。番組「BASEBALL
CENTER」でインタビューを組み、藤浪の投球の奥深さを取り上げるという。今回は全米での放送はないが、前半戦の奮闘もあり、世界的なメディアから“触手”が伸びた。
6月は未勝利に終わった藤浪もすっかり息を吹き返した。グラブを左膝に当てる投球動作に改良し、脱力がプラスに働いている。
「1つ勝ちがついて、精神的に楽になった部分もありますし、思い切っていけると思います。どっちかと言えば、そんなに極端に変えることはないですし、調子を上げていけばいい」
高卒新人投手の10勝以上は07年楽天田中が11勝して以来だ。阪神では67年江夏(12勝)以降、誰も到達していない。19歳が積み上げていく白星が、優勝への推進力になっていく。



