<オールスターゲーム:全パ3-1全セ>◇第3戦◇22日◇いわき

 “右の本格派”として新人王を獲得した10年前の血が騒いだ。球宴3度目で初めて先発を任された日本ハム木佐貫洋投手(33)が、オール直球の勝負を挑んだ。1安打を許したものの打者7人に対して全12球。140キロ前後の直球は、今回の出場選手の中で遅いほう。「年がいもなく直球勝負をしてしまいました」。球の伸びとキレで全セ打者を打たせて取った。

 10年前のような速球は投げられない。それでも伝家の宝刀、フォークボールを使うことはなかった。「お祭りですけど、ボコボコ打たれるのも面白くない。打たれそうになったら変化球を使おうと思った」。早打ちや味方の好守備に助けられたとは言え、今年の好成績を象徴するように相手のバットを直球で押し込んだ。

 テレビ解説席で投球を見守った、かつての女房役、巨人阿部も「昔のいい時に戻ってきた」と絶賛した。「阿部さんにそう言ってもらえるのは光栄」と照れくさそうに笑いながらも、球宴で初めて無失点に抑えて、取り戻した自信は大きかったはずだ。「真っすぐを磨いて、それを軸にする投球をしていきたい」。確かな手応えを得て、初の大役を終えた。【中島宙恵】