<オールスターゲーム:全パ3-1全セ>◇第3戦◇22日◇いわき

 焼き肉にデザートまでついちゃう!?

 マツダオールスターゲーム2013は、東日本大震災の復興支援試合として福島県いわき市のいわきグリーンスタジアムで第3戦が行われた。第2戦MVPの阪神新井貴浩内野手(36)が5番で先発して2安打。今度は敢闘選手賞に選ばれた。賞金は都合400万円。使い道を「焼き肉決起集会」と勝手に決める西岡に、頼れる主砲は「かわいい後輩だけな」と軽~くかわした。

 「敢闘選手賞、阪神新井」。球場にアナウンスが流れると、全セ側の三塁ベンチから「えっ!」とちゃかす声が響いた。チーム全体が笑いに包まれる中、ニヤリとした新井貴はトラッキーと手をつないで表彰台へ。羨望(せんぼう)まじりのどよめきが、主砲の偉業を証明していた。

 「最後は逆に、なんかどうしよう、みたいな…。変な感じだったよな」

 恐縮気味に苦笑いするしかない。20日の第2戦は決勝打を含む3安打で最優秀選手賞に輝き、賞金300万円をゲット。新井劇場にはまだ続編があった。2回に中前打を放ち、6回には右中間二塁打。1点リードの8回2死二、三塁では捕邪飛に倒れたが、もし適時打を決めていれば2戦連続MVPの可能性もあった。賞金100万円の敢闘選手賞を受賞。「すごいね。楽しかった」。計400万円を贈られ、さすがに少し申し訳なさそうだった。

 前日21日の休養日は愛妻、愛息2人と家族だんらん。試合前に中日高木監督から「家族サービスできたやろ?

 300万円で」といじられ、「朝から晩までディズニーランドで楽しみました」と照れ笑いしていた。最高のリフレッシュが効き、再びの大爆発だ。これで球宴通算成績は21打数11安打の2本塁打、打率5割2分4厘。「お祭り男」の名をほしいままにする。

 2日前は賞金300万円について「奥さんに渡します」と話す一方、後輩の西岡から「阪神の全員を焼き肉に連れていくと言っていた」と仕掛けられた。この日も西岡は「賞を取ったらチームで消えるだけ。新井さんが得することはない」と突っ込んだが、それは新井貴の器の大きさを知った上での言葉だ。常日頃から後輩を食事に連れて行き、たらふく食べさせる優しい先輩。今回も当然、使い道は「ごちそう」だ。「かわいい後輩限定でな。小憎たらしいヤツじゃなくね」とニッコリ。いじり返しで西岡に反撃し豪快に笑った。

 日本プロ野球選手会長時代の11年オフ、東日本大震災の被災地でもある福島・いわき市で選手会主催のイベント「ベースボール・クリスマス」を開催。野球少年など約5000人と5時間半も触れ合い、「プロ野球選手で良かった」と喜んだ。この日は同県内の少年野球180チーム、3865人が外野芝生席で観戦。燃えないわけがなかった。

 「多分、また見に来てくれていると思うし、いいプレーを見せられてよかった。またシーズンが始まるし、しっかり切り替えて後半戦に入っていきたい」

 球宴中も昨季まで痛めていた右肩周りの強化を継続。試合に入れば全力プレーを続けたにもかかわらず、新井貴はエネルギーの充てんを終えていた。【佐井陽介】