<ソフトバンク4-9楽天>◇24日◇北九州

 首位楽天が、土壇場の逆転勝利で後半戦白星スタートを切った。1点を追う9回、先頭藤田の内野安打を皮切りに6安打を重ねた。敵失もあり、一気に6得点で試合をひっくり返した。負ければ4年連続で後半戦黒星スタートとなり、2位ロッテには1ゲーム差に詰められるところだった。派手な勝利で2ゲーム差をキープ。その裏には、チームとしての心掛けもあった。

 ベンチ裏は歓喜で沸いた。控え投手、裏方スタッフ、球団職員、入り乱れてのハイタッチ。残りアウト3つからの逆転劇に、星野仙一監督(66)も「一方的にやられるかと思ったけど、よう、みんな追いついてひっくり返した」とニンマリだ。就任3年目で初めて後半戦白星スタートを飾った。

 1点を追う9回、ソフトバンクの守護神五十嵐が出てきても、誰も諦めなかった。先頭藤田は「何とか塁に」と内野安打。銀次が「とにかく走者を進める」と右前打で無死一、三塁。それぞれ役目を果たすと、ジョーンズが敵失を誘う二ゴロで追いついた。さらに、1死二、三塁とし、枡田が決勝の2点右前打。さらに3安打とスクイズを重ね、6得点で勝負を決めた。

 ぜがひでも勝たなければいけなかった。昨季は前半戦最終戦は落としたが、貯金2の3位で折り返した。だが、後半戦初戦も落とし、結局8連敗で5位転落。Aクラスに戻ることなく、シーズンを終えた。今季も前半戦最終戦に敗れた。昨季と同じ、嫌な流れに陥るところだった。

 二の舞いを防いだ裏には“心掛け”があった。星野監督は球宴中に初めて紅白戦を行った。「合宿したいぐらい。実戦感覚を保ちたい」と説明。1週間ぶりの公式戦にも、チームに緩みはなかった。好例は、二塁藤田だ。試合前のノックを終えると、いつもより丁寧に守備位置をトンボでならした。北九州市民球場の内野は硬い土で、球足が速い。「気持ちを込めました。硬いですから」。ソフトバンクの4失策に対し、楽天は無失策。トンボ掛けが直接勝利を呼んだわけではないが、内野手泣かせの条件を頭にたたき込んでいた。

 星野監督は「この球場で、エラーがなかったのは不思議なくらい。明日も、ここでやるか」と笑った。貯金は再び今季最多タイ13。試合前には「最後まで、だんご」と口にしていたが、着実に力をつけたイヌワシ軍団が、頭1つ抜けだそうとしている。【古川真弥】