<オリックス6-4日本ハム>◇25日◇ほっともっと神戸

 日本ハムは逆転負けでオリックスに連敗し、1カ月ぶりの最下位に転落した。4回までに4点を先行したが、先発の武田勝投手(35)が7安打3失点で6回途中降板。バトンを受けた中継ぎ陣がつかまり、リードを守り切れなかった。前半戦最終から3連敗で借金は3に。注目ルーキー大谷翔平投手(19)は代打待機したが、出番はなかった。

 不快感は、最高潮だった。気温34度の炎天下での試合前練習ではたっぷりと汗をかいたが、開始と同時に冷や汗の連続に変わった。

 栗山英樹監督(52)は、まとわりつくような重い1敗を嘆いた。「本当にとらないといけない試合だった」。ちょうど1カ月ぶり、6月25日以来の単独最下位へ転落。球宴明けから連敗、球宴を挟んで痛恨の3連敗を喫した。

 会心の展開へは持ち込んだ。2回に稲葉の出場35試合ぶりのソロで先制。続く3回も中田の適時打、赤田の犠飛で2点を追加した。序盤で優位に立ったが、中押しできず。最大4点のリードを失い、同点の7回1死二、三塁では大野にスクイズを敢行。こうちゃく状態を打開しようとした一手が失敗と、空回りした。代打策も選択できただけに、栗山監督は「駆け引きだったから」と自分を責めた。

 最大の強みも崩壊し、重苦しさは倍増した。6回途中で投入された2番手矢貫が、李大浩に同点弾を献上した。「一番やってはいけないことをした」。8回にはセットアッパー増井が致命的な2点の勝ち越しを許した。球宴出場組、自慢の勝利の方程式を形成する2人が崩れた。序盤で先行しながら主導権を奪い切れず。エースの武田勝が6回もたず、わずか68球で降板し、負担が掛かった中継ぎ陣が崩れた。

 収穫が見いだせない3時間53分の熱闘。栗山監督は深く息をついた。「オレが悪い」。8年ぶりの前半戦借金ターンで、出直しを期していた後半戦。試練の再出発になった。【高山通史】