<ソフトバンク5-2楽天>◇25日◇ヤフオクドーム

 敗者は一夜で勝者になれる。今度はソフトバンクが終盤の逆転勝ちでお返しだ。ラヘアの同点弾、松田の2ランもいい。それでも指揮官の挽回指令に応えた男たちが光った。

 7回の金子圭輔内野手(28)だ。ラヘアの1発で同点にした直後、中前打で出塁。1死二塁から中村の適時打で決勝ホームを踏んだ。生還の際、右手を強く握った。

 前日は北九州で適時エラーを含む2失策。チーム全体で4失策で楽天を助け、星野監督に「今日のヒーローは球場と(3失策した)セカンド」と言われた。悔しさは腹の底にしまい、練習から全力だった。8回。俊足聖沢の二ゴロを横っ跳びで止め、アウトにする美技があった。前日に適時失策で迷惑をかけてしまった森福がグラブをたたき、笑っていた。

 後半戦開幕で3連敗した前夜の緊急ミーティング。指揮官は訴えた。「挽回しろ。打てなかった、打たれた、守れなかったヤツは挽回しろ」。選手は各自でその意味を理解していた。鳥越コーチの進言を受け、秋山監督も決断。途中出場でミスを重ねた金子を一夜明けの先発にかけ、金子も応えた。

 「地獄から天国。朝起きた時からやってやろうと思いました。スタメンを見た時は、ホントかと思いました」

 抑えの五十嵐もその1人だ。前日1点差の9回に4失点で降板。それでも挽回の機会を与え、本拠地初セーブがついた。メッセージを込めた用兵。楽天の攻撃が4併殺だったことを受け、秋山監督は「昨日の逆という感じだな」とにんまり。3連敗でストップ、5位浮上の事実より、中身に重さのある白星だった。【押谷謙爾】