巨人が10代左腕を抜てきする。今村信貴投手(19)を沢村の代わりの先発要員にあてる。川口投手コーチは9日、ジャイアンツ球場での先発投手陣の練習後、中継ぎに配置転換した沢村に代わる投手について口にした。小山や笠原ら、今季先発実績のある投手の名前には首を横に振り「今村だよ」とニヤリ。不敵な笑みを見せた。

 今村は高卒2年目の左腕。昨年はイースタン・リーグでノーヒットノーランを記録した。今季は2軍で2ケタ勝利。川口投手コーチは「10勝したし、(1軍に)上げてやらないとね」と成長を認める。10代で1軍での試合に勝てば、ドラフト制後の巨人の左腕では新浦、林以来。19歳5カ月ならば、ドラフト制後ではチームで最も若い左腕の勝利となる。

 沢村が先発に戻るのはクライマックスシリーズ。当座はマシソンと山口の前となる4回から6回を任せ、先発に戻す期日は決めないという。今村が好投すれば、シーズン終了までのローテーションを沢村の代わりに守ることになる。2月のオープン戦で原監督は、今村の成長を認めながらも「もう少し、スピードが出てくれば面白い」と、さらなる成長を期待していた。あれから7カ月。今村に待ちに待ったチャンスが来る。【竹内智信】