<日本ハム0-3ソフトバンク>◇5日◇札幌ドーム
ソフトバンクが、東浜巨投手(23)のプロ初完投初完封で勝ち、散った。CS進出の可能性をわずかに残した最終戦。被安打4の無四球、10奪三振と非の打ちどころのない内容でドラフト1位右腕が3勝目締め。それでも直後に3位西武が勝ったことで、4位が確定し、08年以来のBクラスとなった。秋山幸二監督(51)就任後は初の屈辱となった。
東浜は記念すべき初完封の瞬間も、白い歯をわずかに見せただけだった。わずかなCS進出へは勝利が絶対条件。“ノルマ”を果たしても、心から喜べるはずはなかった。「0点に抑える強い気持ちで最後まで投げました。直球が走っていて、要所要所で低めにコントロールできました」。
地をはうような直球がコーナーにずばずば決まった。1回先頭の陽から、8回無死の鶴岡まで、7三振すべてが直球で見逃し。8回2死では代打中田に力勝負を挑み、高め直球で空振り三振を奪った。最速は146キロを計測。自己最多132球で日本ハム打線を29人料理した。東都リーグ通算35勝、22完封の看板に偽りなし。土台作りからやり直した即戦力ルーキーが9月下旬から3連勝で締めた。
この時点で3位西武の結果待ちだった。しかし、笑顔の東浜がヒーローインタビューで「まだ4位ですが、まだまだ分かりません…」と答えた直後、Kスタ宮城で西武中村の決勝ソロが飛びだした。そして4位が確定。CSを逃す皮肉な結末となった。
「1つ自信になりました。思うような投球に近づいてきた。最後の最後になってチームには申し訳ないのですが…」
断トツの優勝候補に挙げられながら、メジャー108勝パディーヤがはまらず、大隣が手術離脱、武田の不調…など先発陣に誤算が生じた。ローテのやりくりに苦労した1年の最後に待望の「ドラ1」が現れた。5年間で日本一1回、リーグ優勝2回の秋山ホークスが初のBクラス。厳しい現実に直面する中、来季へ希望の灯だけはともした。【押谷謙爾】



