伝説の「10・8決戦」の再現だ。巨人のレギュラーシーズン最終戦となる8日のヤクルト戦(東京ドーム)に向け6日、先発投手陣が調整を行った。クライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージ前、最後の公式戦は内海哲也(31)菅野智之(23)杉内俊哉(32)の先発3本柱がそろって登板する。

 異例ともいえる2ケタ勝利を挙げている3投手の継投が実現。しかも日付は「10・8」。94年同日、中日との優勝決定戦で槙原-斎藤-桑田の3本柱による継投が実現し、当時監督の長嶋茂雄終身名誉監督が「国民的行事」と名付けた大一番以来の2ケタトリオによる継投となる。

 2日連続ブルペン入りした内海は「(当時)家のテレビで見ていました。異様な雰囲気だったことは覚えています」と話せば、杉内は「友達の家でバーベキューをしていたんですが、すごく気になってテレビを見ていた」と、幼少期の記憶をよみがえらせた。菅野も「球界を代表する杉内さん、内海さんと3本柱と言われるとは光栄なこと」と、気持ちを高ぶらせた。

 もっとも、一戦の持つ意味合いは大きく異なる。すでにリーグ優勝を決めており調整登板が前提。ただ、CSで先発することが確実な3投手だけに内容、結果ともに今後の戦いに直結する。当時、中1日で登板した斎藤投手コーチも「チーム状況は全然違うから」としながらも、「この先の戦いにおいては大事な登板になる」と説明した。

 常勝軍団だけに勝利は絶対条件。内海は「CSに向けて、しっかり、それぞれが自分の投球ができるようにしたい」と、3人の気持ちを代弁した。巨人の最強3本柱が千秋楽を締めくくる。【為田聡史】

 ◆巨人の10勝投手リレー

 巨人が2ケタ勝利を挙げている投手だけでリレーすれば94年10月8日、ナゴヤ球場での中日戦以来となる。勝ったチームが優勝の試合で、巨人は12勝の槙原が先発。槙原が1回0/3で降板すると、2回途中から13勝の斎藤が2番手で登板。7回からは14勝の桑田が3番手で登板し、巨人が6-3で中日を下して優勝。5回1失点の斎藤が14勝目、桑田は初セーブを記録した。