日本野球機構(NPB)と大リーグ機構(MLB)との間で折衝を続けている新ポスティングシステム(入札制度)を含めた日米選手協定について6日(日本時間7日)、米球界側は「最終決定は日本側の意思次第」との見解であることが分かった。既にMLB、米選手会ともルール改定の原案を提示したとの認識を持っている。今後はNPBと労組日本プロ野球選手会(嶋基宏会長=楽天)の交渉の行方を待つのみというスタンスであることが、複数の米球界関係者の証言で明らかになった。11日にNPBと選手会の事務折衝が行われる。
新ポスティング制度の導入を巡る動きが暗礁に乗り上げたことに関して、米球界側の反応は、極めて冷ややかだった。前日までに新協定の締結延期が明るみに出たことについて、MLB広報部は「現時点で交渉を継続しているので、正式なコメントはできない」と、内容や進捗(しんちょく)状況に言及することはしなかった。
ただ、米球界側には、今後は日本国内の問題という認識が強いようだ。ある関係者は「あとは日本側の出方次第。こちらからは既にボールを投げた状態。返答を待つしかない」との見解を示した。既にMLB、MLB選手会、そしてNPBの間では新協定に合意し、球団側の了承も取り付けている。今後は、NPBが選手会を説得するのみというスタンスがうかがえる。
昨年から行われてきた日米間の交渉に、MLB選手会は出席していたものの、日本の選手会は参加していなかった。この過程で、NPBを通じ、選手会の主張として「複数球団と交渉できるようにすべき」という案も出たという。だが、具体化するまでには至らなかった。結局、入札額を下げたいMLB側の意向と、入札後の破談を避けたいNPB側の意向とを取り入れた新協定の作成に至った。MLB関係者は「どちらにもフェアな案だと思う」と評しており、今回の件を受けて新たな譲歩案を検討する姿勢は見えない。
時期的にも難しくなっている。日本では注目の高いポスティングシステムだが、米国側にとっては、単なる外国とのルール改定にすぎない。既にワールドシリーズも終わり、週明けにはGM会議も始まる。ここから今オフに間に合うよう、緊急的に制度改革に臨む可能性は低い。また、移籍市場が本格化する時期でもある。カノ(ヤンキース)らと並び、田中は今オフの目玉選手で、その動向は今オフの市場に大きな影響を及ぼす。締結が遅れれば、各球団、代理人ともに動きにくい状況になっていく。11日に行われるNPBと選手会の交渉が決裂すれば、米球界まで大混乱に陥りそうだ。



