ソフトバンクの大補強が始まる。今季限りで退団するオリックス李大浩内野手(31)の獲得に前進した。これまで外国人選手は、日本で実績のある経験者も候補にリストアップ。4番候補となる李大浩はオリックス退団の可能性も含めて本腰を入れて調査を重ねていた。李大浩本人はメジャー挑戦の可能性を残す模様だが、本拠地福岡が韓国に近いという地の利も生かし、獲得にまい進する。

 小林至海外兼中長期戦略部長は14日、補強ポイントについて「ウチはピッチャーと4番打者」と話した。そのピースを1つ埋める日が近づいた。さらに、FA戦線でも積極的に動く。まず今日15日、中日からFA宣言した中田賢一投手(31)の獲得交渉に臨む。交渉解禁日の速攻アタックに小林部長は「ウチに入ってもらいたいというのがある。(提示条件は)やりがいのある形にしたい」と3~4年で変動制の長期契約を提示するとみられ、獲得が有力視されている。

 さらに日本ハムからFAの鶴岡慎也捕手(32)、広島からFAの大竹寛投手(30)の獲得に乗り出すことも表明。3選手とも他球団との争奪戦となりそうだが、1歩も引かない。中田賢がCランクとみられることから可能になる、92年の制度導入後最多のFA3人同時獲得を目指す。王貞治球団会長は「できることはやりましょうということ」と話し、5年ぶりBクラスからの巻き返しへ、なりふり構わぬ姿勢を示した。

 ◆李大浩(イ・デホ)1982年6月21日、韓国生まれ。慶南高から01年韓国ロッテに入団。06年に3冠王。10年8月に世界記録となる9戦連続本塁打を記録し、2度目の3冠王。韓国では通算1087試合で218本塁打、760打点、打率3割6厘。11年オフにオリックスに移籍。1年目に91打点で打点王、ベストナイン(一塁手)。194センチ、130キロ。右投げ右打ち。今季推定年俸2億5000万円。

 ◆ソフトバンク今オフの補強

 11日にキューバ出身の右の強打者バーバロ・カニザレス内野手(33)の入団を発表した。秋季キャンプでは216センチ右腕ローク・バンミル(29=レッズ傘下3A)、元横浜の左腕ブランドン・マン(29=BC信濃)、ブルース・ビリング(27=アスレチックス傘下3A)の3投手をテスト。日本ハムを退団した右腕ブライアン・ウルフ投手(32)も調査している。ドラフトでは1位のJR九州・加治屋蓮投手(21=宮崎・福島)ら即戦力の社会人投手3人を指名した。