楽天の立花陽三球団社長(42)は1日、訪問先の宮城・南三陸町で取材に応じ、田中将大投手(25)との契約更改交渉の準備を進めることを示唆した。新ポスティングシステム(入札制度)を巡る日米間の交渉が難航中で、田中のメジャー挑戦は不透明な状況。交渉破談により残留するケースも想定され始めた。同社長は「制度が整うまでは話さないということは、田中とも話している」と方針は変わらないとしたが、「編成の面で来シーズンの主要メンバーなので、(契約更改の)話はします」と続けた。

 ルール上は、契約更改を終えた選手でもポスティング申請は可能だ。だが、立花社長は「12月中盤になると、どうしても球団も選手も方向性が決まる。そこが1つのめどかなと思う」と、判断のデッドラインを挙げた。明日3日には、臨時の代表者会議が開かれる。楽天の主張が注目されるが、立花社長は「(新システムは)全選手のために作るもの。田中のための制度じゃない。12球団の総意でMLBと交渉すべき」と強調した。田中のためにと、性急な新システム成立を求めることはしない。【古川真弥】