阪神のドラフト1位、横浜商大・岩貞祐太投手(22=必由館)のデビュー戦が早くも内定した。ドラフト指名後、岩貞の投球映像をチェックした中西投手コーチは「右打者の内角へのストレート、スライダーは十分にプロで通用する。あとは外の使い方。2月のキャンプで課題を与えてやっていけば、大丈夫だろう」と期待を膨らませた。

 巨人内海ら左投手が武器とする右打者の内角への速球「クロスファイア」に目を見張るものがあったという。その上で実戦デビューまでの青写真を描く。「(2月1日からブルペン入りの)準備してきてもらいたいし、準備してくるだろう。ハイペースにはさせないけど。早ければ、26日のオープン戦で1イニングでも投げさせたいな」。

 昨年のドラフト1位藤浪は投球制限、ブルペンでの球数制限などを設定。だが、大卒として即戦力としての期待もある岩貞には特別なリミットは設けない。沖縄キャンプ終盤の2月26日に組まれる予定のオープン戦(相手未定)に先発させ、実戦デビューさせようと考えているという。

 中西コーチは「フォームは能見に似ているな。能見は1年目、4勝だろう?

 1年目の能見は超えられると思うで」とニヤリ。能見は1年目の05年、16試合(先発12)に登板し4勝1敗。その後、エースにまで成長した。岩貞にとっては目標としている先輩だが、同コーチは1年目の期待度では能見を上まわるという。来季へ向けて先発陣が不安視される現状だが、まだ見ぬ左腕が救世主となれるか。【鈴木忠平】