日本ハム木佐貫洋投手(33)が5日、営業中のサラリーマンばりの資料を持ち込み“商談”に臨んだ。札幌市内の球団事務所で契約を更改。2000万円増の年俸8200万円(推定)でサインしたが「昨日、夜なべして資料を作り、自分の成績を精査したんですけど…。役に立ちませんでした」と苦笑い。野球選手らしからぬ姿で、交渉の席にいた島田代表を「ノートを開いてペンを持っている。どこのサラリーマンかと思った」と驚かせた。

 「年に1度、球団トップの方とお金の話をする機会。下調べをしないで、その1時間を過ごすのはもったいないと思った」と木佐貫。予想していた評価を下回った場合、参考資料として登場するはずだった大学ノートだが、出番はなかった。オリックスから移籍1年目の今季、チームトップの9勝をマーク。全体的に不調だった先発陣の中で、安定した成績を残しローテーションを守ったのだから、文句なしに高評価だった。

 ただし、チームは最下位に終わった。「僕が対戦していた日本ハムは、こんなもんじゃなかった。疫病神と思われるのは嫌。来季は15勝を狙いたい」。チームで1番背広が似合う男は、頼もしかった。【中島宙恵】