日本ハム栗山英樹監督(52)が、来年2月の春季キャンプで慣例だった「特定ベテラン保護法」の解除を宣言した。11日、東京・小金井市の母校・東学大を訪問。リーグ優勝した昨季の功績をたたえ授与された「東京学芸大栄誉賞」の記念式典に出席した。巻き返しの来季へ向け、キャンプでは「(実績ある)選手を尊敬はするけれど例外はあり得ない」。かつて優遇してきたスター選手にも2軍調整辞さずの姿勢で臨む方針を打ち出した。

 両目を少し血走らせながら、聖域なきプランをぶち上げた。再建の第1歩となるキャンプ。非情な構想を練り上げていた。「ベテランもレギュラーも関係ないから。稲葉、マコト(金子誠)…。リスペクトはするけれど、勝つために(チーム整備を)オレはやる」。通常なら実績ある主力級の中堅以上は、キャンプ終盤には調子に左右されずに1軍同行の「優遇」の基本方針を大転換する。

 メンバーの1、2軍振り分けの大枠は固めており、新人8人はすべて2軍スタートが内定。2月中旬には「考えていたら、10人ずつ(合計)20人を入れ替えるかもしれないということになった。コーチに怒られてしまうかもしれないけれど」と大シャッフルの青写真も描いている。来季は2年契約2年目の就任3年目。「わがままに3年目をやってみる」と改革を狙い、純粋な実力主義での戦力選定を貫く。象徴だったスター選手が開幕構想外になる可能性が早くもキャンプから浮上。覚悟を決めた栗山監督が、春の嵐を巻き起こしそうだ。【高山通史】