「球界の玉木宏」こと巨人ドラフト1位の小林誠司捕手(24=日本生命)が、泥くさく伝統球団の1軍に食らい付く。23日、千葉・イオンモール幕張新都心で行われたイベントに参加。チームメートで、同じくプロ入りするDeNA柿田裕太投手(21)、ロッテ吉原正平投手(24)、井上晴哉内野手(24)とともにファンと交流した。来春キャンプ1軍スタートが内定しているが「少ないチャンスをモノにできるよう、1日1日準備していく」と浮かれた様子はなし。実力者たちに割ってはいる。

 汗が似合わない好漢は、社会人野球の名門でもまれ「格好いいプレーには限界がある」と学んだ。「野球で給料をもらう責任の重さを、監督、コーチから教えていただいた。最初は『必死にやる』意味が分からないでいたけど、諦めずにやることが、本当の格好いい姿。少しはタフになれたと思う」と明かした。武骨な姿勢を貫くつもりだ。

 日本生命の代名詞である純白に赤のユニホームは、この日が最後だった。「少し寂しい気持ちがある」が「1日でも長く野球を続けられるように」と古巣に恩返しする。来年1月の入寮ギリギリまで原点の地で練習を重ね、巨人の門をたたく。【宮下敬至】