猛虎に“恐怖の8番打者”が誕生する-。阪神藤井彰人捕手(37)が23日、大阪市内のホテルで開催されたトークショーに出演。15年目の今季、シーズン自己最多77安打を放った藤井彰は、昨季限りで引退した鉄人・金本知憲氏の助言によって打撃開眼したことを告白。来季の野望は「打てる捕手」への進化だ。

 これまで「男前商店」の売りは堅実な捕球技術や強肩による守備だった。だが、来季からはその看板がバージョンアップされることになりそうだ。ファンクラブのトークショーに出演した藤井彰は持ち前の話術で爆笑を巻き起こした後、アラフォーの野望を明かした。

 「そりゃあ3割、30本打ちたいですよ。でも、派手なところはクリーンアップに任せて、僕が打てば(相手には)ダメージになるだろうし。8番で規定打席いきたいですね」

 今シーズン、テレビの前から腰を上げようとして、座り直した虎党は多いのではないだろうか。1死または2死走者なしで打順は下位へ。これまでなら「ああチェンジだ…」だったが、今季はここから藤井彰が目の覚めるようなヒットで出塁。上位打線へとつなぐことが少なくなかった。何を隠そう、プロ15年目で自身キャリアハイとなる77安打を放ったのだ。

 「カネさんに食事の時にアドバイスをもらって。それを頭で理解して、やれたのが大きかった」

 37歳でつかんだ打撃のコツ。正体はアニキの助言だった。12年シーズン限りで引退した金本氏と、そのオフに食事をしている際、言われた言葉がきっかけだったという。

 「前へいくな」

 「左肩を意識しろ」

 今季、打線が打ちあぐむ投手の球を、藤井彰が体勢を崩されることなく、きっちり打ち返す場面は数多く見られた。今オフも例年通りバットは振っていないという。だが、感覚は頭と体に染みこんでいる。

 「1-0でも何でも、勝って喜びたい。よそのチームがビールかけしてるところは見たくないし。よそのチームの日本シリーズもみたくない」

 すべては勝利のため。矢野、城島の引退以来、おしとやかになっていた虎の正妻だが、藤井彰が“恐怖の8番打者”となれば、優勝はさらに近づく。【鈴木忠平】