楽天が、田中将大投手(25)に新ポスティングシステムを使ったメジャー挑戦を認めることが確実になった。同投手から希望を伝えられていた立花陽三球団社長(42)が24日、球団内で重ねてきた議論が最終段階に達し、方向性が固まったことを認めた。17日に、日米間で同システムが正式に成立して約1週間。今日25日にも発表される可能性があり、マー君のメジャーへの道がついに開かれる。

 これまでにない断言口調だった。クリスマスイブの仙台。粉雪の舞う球団事務所の外で、立花社長ははっきりと答えた。田中のメジャー挑戦を認めるかどうか、「大筋の方向性は決まったのか?」という報道陣の質問に対し、「そういうことだと僕は思っています」と明言した。ようやく、ゴールが見えるところまできた。

 方向性の具体的な中身は伏せられたが、球団関係者の話を総合すると、メジャー挑戦を認める方向で議論は進んでいる。同社長は「話し合いの最後の詰めがある。そこを詰める方が重要。そこをしっかり詰めたい。球団の最後のミーティングを含めてやります。いろいろ関係各所いますし」と話した。三木谷オーナーとは連日話し合いを続けており、この日も連絡を取ったという。同オーナーを含め、最後の調整段階に入っている。

 同社長は「世の中、こういうことは最後の最後まで何が起こるか分かりませんので、しっかりやります」と補足したが、“詰め”を誤らないという決意表明のようでもあった。残された確認事項さえクリアすれば、田中に容認の方針を伝える流れとなる。

 その時期は、今日25日が最有力だ。同社長は「一両日中というか、1日も早く、皆さんにちゃんとしたお答えができるようにやっています」と現状を説明した。また「私の希望では、今日にでも、明日にでも、1分1秒たりとも早く答えを出したい」と強調し、発表が極めて近いことを示唆した。田中は明日26日は都内で表彰式に出席する。一方の球団は27日が仕事納め。両者の都合を突き合わせれば、年内発表なら今日25日が自然な流れといえる。

 田中が17日にメジャー挑戦の希望を表明してから1週間。その間、球団の決定を待つ身の田中は慎重に言葉を選ぶしかなかった。球団が「容認」を公にすることで、より自由にメジャーへ挑む気持ちを述べられる。その日は、すぐそこまで来ている。【古川真弥】