注目の2年目は、災難で幕開けした。日本ハム大谷翔平投手(19)が3日、母校の花巻東で自主トレを公開した。雪上でランニング、キャッチボールなどをこなしたが、年末年始は感染性胃腸炎で寝込んでいたことを告白。「シーズン中じゃなくてよかった」と厄払いととらえ、投手起用に重点が置かれる新シーズンへ、2ケタ勝利を最低限のハードルに設定した。

 大谷は背番号に合わせ、午前11時11分に始動した。高校時代の同級生たちとも顔を合わせ「楽しくできました」。快調なスタートに見えたが…。壮絶な年越しの舞台裏を明かした。「感染性胃腸炎にかかって、30日から1日まで寝込んでました。初詣もまだですし、うなされてて何も覚えてないです」。プロ入り後初のダウンだった。

 異変は「練習納め」翌日の先月30日。突如、腹痛、高熱、吐き気に襲われた。大みそかの夜には症状が悪化し、救急病院へ。点滴治療を受けたが、熱は39度まで上昇した。「結構吐いたりしましたし、ウイダー(ゼリー食品)しか食べられませんでした。いい経験でした」と振り返った。

 来週には千葉・鎌ケ谷に移動。下旬には沖縄・名護での先乗り合同自主トレに参加する。投手起用がメーンとなる今季、明確なハードルを設定した。「2ケタ勝てるように。そのために最初からローテに入れるように」。昨季は13試合登板で3勝負けなしも、納得はしていない。「実力で勝った試合はなかった。チームに勝ちをつけられる投手になりたい」。シーズンが始まれば、自身が札幌ドームを熱くする。【本間翼】