藤浪先生、敬語でよろしくお願いします!?

 阪神の新人合同自主トレが9日、鳴尾浜で始まった。ドラフト1位岩貞祐太投手(22=横浜商大)は、3歳年下ながら昨年10勝を挙げた藤浪晋太郎投手(19)と謙虚に初対面しレクチャーを受けた。視察した和田監督も納得の動きで、1軍宜野座キャンプスタートを確定。藤浪-岩貞ラインで「新人2桁バトン」をつなぐ。

 待ちに待った新人合同自主トレ初日。張り切る岩貞の傍らで、昨年のルーキー藤浪も2年目の鳴尾浜トレをスタートさせた。新旧ドラフト1位の初共演。前日8日の「虎風荘」での初対面は奇妙なやりとりだった。

 チームメートにあいさつ回りした岩貞は藤浪の部屋も訪れた。「岩貞です。よろしくお願いします」。「藤浪です。よろしくお願いします」…と双方敬語。「入ったのは藤浪くんが先輩。年は自分が上。敬語を使って、敬語を使われました」と丁寧すぎるご対面を笑いながら振り返った。

 謙虚なあいさつ回りも、無理はない。藤浪は、岩貞が今季の目標として掲げる「10勝」を高卒ながら達成した。年下だがプロの先輩としてのオーラを感じ取り自然と敬語になった。「1年間プロでやられている方なので、成功したポイントを見て参考にしていきたい。ライバルというよりは先輩ですね」。22歳の岩貞は19歳藤浪をきっちりと“あの方”と呼んだ。

 しかし、グラウンドに入れば別だ。左翼付近でトレーニングに励んだ藤浪と対照的に、岩貞は右翼の新人チームでも存在感をアピール。ていねいなキャッチボールを視察した和田監督は「特にフィニッシュのシルエットが能見に似ている」とほれ直した。伝え聞いた岩貞は「実力も似てくるように頑張りたい。練習は自分の中でいろいろ考えてやるので、(藤浪は)見なかったです」と振り返った。鳴尾浜には首脳陣の他にも、約30人のファン、報道陣が殺到したが「意外と気持ちの変化はなくやれた」。藤浪にも負けない強心臓ぶりを見せつけた。

 すでにキャンプは1軍宜野座スタートが確定。中西投手コーチは「ブルペン入りは(キャンプに)行く前の状態を見て考える。(登板は)あわてる必要はない」と今後のプランを説明した。岩貞にとっては何もかもが未知の世界。それだけに「分からないことがあったり、どうしようと思うことがあったら、いろいろ聞いていきたいと思います」と藤浪先輩の存在が頼もしい。年下の先生に習いながら、2年連続のルーキー2桁勝利を目指す。【松本航】