西武脇谷亮太内野手(32)が「伊原野球」の伝道師になる。巨人にFA移籍した片岡の人的補償として10日、所沢市内の球団事務所で入団会見に出席。「まだ少しだけ寂しさはありますが、心機一転、ライオンズの一員として優勝に頑張っていきたい」と、古巣との決別と新天地での決意を口にした。

 プロ入り2年目の07年から4年間、当時巨人のヘッドコーチだった伊原監督の下でプレーした。入団決定後、伊原監督との電話会談も済ませ、「新聞で見ましたが、電車の初乗り運賃は140円ですよね。それを選手に問うのも伊原さんらしい」とニヤリ。戦術においても「どんな野球をしようとしているのかは自分の中では分かっているつもり」と意思疎通に支障はない。

 西武のレギュラー陣は、栗山、中村、浅村ら巨人に比べれば比較的、若い顔ぶれがそろう。新指揮官の野球を熟知するだけに「年齢的にも自分は上のほうなんで、どんどん若い選手を引っ張っていければ」と新たな自覚も口にした。

 球団の期待も相当大きい。背番号は現役時代の伊原監督がつけ、石毛宏典氏、楽天松井稼頭央らも背負った「7」。西武の内野手を象徴する背番号を託された。「歴代、すごい方がつけている。番号に恥じない役割をグラウンドで出せれば」。守備は内野の複数ポジションをこなせる上に、打撃もパンチ力があって勝負強い。闘志あふれるプレーも魅力。新天地で脇谷が、若獅子たちの先頭に立ち頂点を目指す。【為田聡史】