日本ハム陽岱鋼外野手(26)が、故郷・台湾の社会問題の解消へと乗り出した。狙いは、増加中の若者の自殺撲滅だ。台湾で放映される防止キャンペーンCMに登場する著名人の1人として出演を打診され、ノーギャラで快諾。収録済みで近日中に、公開される予定だという。日本で成功を収め台湾スポーツ界ではNO・1の人気を誇っているスーパースター。「故郷へ何か恩返しがしたい。できることは、やりたい」と一肌脱いだ。

 2日連続で千葉・鎌ケ谷で自主トレを行った13日、台湾に置きみやげを残してきたことを、明かした。陽岱鋼は詳細は伏せたが、ある企業が自殺を抑止することを目的に制作したCMに起用されたという。高校から生活拠点は日本。「ずっと日本にいたので、自分の故郷のために何かしたい」と無償のオファーを受けた。本人によればスポーツ選手は1人だけで、ほか台湾の有名歌手、俳優らがCMに登場するという。

 派手で見た目は若いが今季9年目で、17日に27歳になる。昨季は盗塁王を獲得するなど、野球だけではなく社会貢献にも寄与していくべき地位を確立した。今回は「スポーツでいろいろな素晴らしい人との出会いがある」というような意味のメッセージを、CMを通じて訴えたという。命を絶ってしまいそうな苦悩を抱える若者へ、熱い一石を投じた。【高山通史】