巨人原辰徳監督(55)がゴジラのメンタルコーチを熱望した。16日、都内でスタッフ会議が行われ、OBで元ヤンキースの松井秀喜氏(39)が宮崎キャンプで臨時コーチを務めることを発表。打撃指導だけではなく、世界での経験で培ったメンタル指導に期待した。

 松井氏にしかできない指導がある。原監督は「彼ほどのキャリアを持った選手はいない。打撃の技術、知識もあるが、私の中では世界に通用するメンタルを注入してもらいたい。それが彼の一番の大きな役割」と精神指導を第一に求めた。

 昨季はリーグ連覇を果たしたが、日本一連覇をあと1勝で逃した。土壇場を制す精神力がわずかに足りなかった。そのピースを松井氏は持っている。5打席連続敬遠、巨人での4番の重圧、メジャー挑戦、故障との闘い、ワールドシリーズMVP…。激動の野球人生で得た経験、同氏の座右の銘でもある不動心は、チームを高みへと導くはずだ。

 技術指導も期待される。村田打撃コーチは「前にヤンキース時代にマッティングリー(現ドジャース監督)に習ったことを聞いたら『遊撃手の頭の上を狙う意識でいれば内角も打てる』と言っていた。そういう体験も交えて話してくれれば」と話した。川口投手総合コーチも「内角がいかに打者に脅威になるかという話は投手にも参考になる」と波及効果を期待した。

 14年は再スタートの1年。原監督は「12、13年は素晴らしい年だったが、最後に勢いが止まった。また勢いをつけるには相当なエネルギーが必要で至難の業でもある。心して戦っていかないと」と言った。松井氏との融合は再出発への燃料となる。【広重竜太郎】