ブレーキはいらない!

 広島福井優也投手(25)が27日、荷物出しのためマツダスタジアムを訪れ、先発ローテーション入りへの思いを激白した。今オフは日本ハム斎藤、西武大石の早大トリオで自主トレ。伸び悩む右腕が飛躍への足場を固めた。

 キャンプを目前に控え、福井が悲壮な決意を明かした。「ブレーキをかける必要はない。できるところをアピールしないと、先はない」。自主トレを打ち上げ、前日26日に広島に戻った。訪れたマツダスタジアムで熱い思いを激白した。

 ルーキーイヤーの11年に、いきなり先発ローテーションに入り、8勝を挙げた。しかし、その後は伸び悩んだ。12年は2勝。昨年も不振に苦しみ、12試合で先発は1度だけ。未勝利に終わった。今オフは日本ハム斎藤、西武大石の早大トリオを再結成し、トレーニングに励んだ。

 「何かのきっかけになれば…。3人とも厳しい立場。みんなで、しっかりやろうという気持ちでできたのは、良かった。個々に思うことはある。危機感をもってやっていると感じた」

 早大で黄金時代を築いた仲間との再会は、福井に活力を与えた。

 FAで大竹が巨人に移籍したが、ドラフトで先発即戦力の大瀬良と九里が入団。ローテーション争いは楽な戦いではない。野村監督はキャンプの3クール目には実戦を行う考えを明かし、先発候補を激しく競わせる方針を掲げている。それに反応するかのように、福井は自主トレ中に5度、ブルペンで投球練習を行った。

 「キャンプ初日から投げられるようにしたい。今年は先発でやりたい。オープン戦で自分の中のイメージを変えたい」

 10年ドラフト1位右腕は、自分のペースで調整できる立場でないことを分かっている。ブレーキは不要。プロ4年目の変化をガムシャラに首脳陣にアピールする。【田口真一郎】