阪神鳥谷敬内野手(32)が今季の「自分超え」を誓った。27日、大阪市内の朝日生命ホールで行われた日刊スポーツ主催の「2014鳥谷敬選手

 キャンプイン直前

 プレミアムトーク」に出演。これまで10年の打率3割1厘、09年の20本塁打、10年の104打点がシーズン最高成績だが、今季すべてクリアする目標を公言した。昨季は巨人に12・5ゲーム差をつけられて2位に終わった。前半戦独走をもくろみ、ファンにV奪回を誓った。

 もう戦闘モードに入っていた。2月のキャンプインを直前に控え、400人の聴衆に胸を張って言う。プロ11年目の今季の目標は定まっている。ズバリ「自己ベスト超え」だ。マイクを握ると力強い口調だった。

 「個人的には打率であったり、ホームランもそう、今まで自分が残した数字をすべて上回るシーズンにしたい。自分は3割20本塁打100打点をしたことがあるけど、別々(の年)にやっている。すべてクリアできるシーズンにしたい」

 公言通りの数字を達成すれば、阪神の覇権奪回はグッと近づく。09年に20本塁打を放ち、10年の打率3割1厘、104打点も、それぞれシーズン自己最高。その3部門の自己ベストを一気に超えようという野望なのだ。昨季は首位巨人とデッドヒートを演じながらシーズン終盤に大失速。苦い思いを忘れられない。

 「(8月末の巨人3連戦で)3つ負けて、立て直すチーム力がなかった。競っていたし、負けたときのショックは大きかったです」

 キャプテンとして、チームリーダーの自覚に満ちあふれる。昨季は26試合、4番に座った。精神的支柱として、責任の重さを痛感したのはプロ初の4番を経験した8月30日広島戦(甲子園)だった。悪天候のため室内練習場で試合前練習を行った。打撃練習を終えると和田監督に呼び止められた。「今日から4番、いくぞ」。耳を疑った。「何でですか?」と問うと指揮官は言う。「流れを変えるためだ」。伝統のある球団で、生え抜きのレギュラーが背負う宿命だろう。とうの昔に覚悟など固めている。

 オフに日刊スポーツのトークショーへ参加するのは4度目だ。鳥谷は苦笑いを浮かべる。「毎年、このイベントで優勝すると言っているけど、だいぶしていない。そろそろしないと、会場に人が集まらなくなる」と話すとドッと沸く。その直後、表情を変えて「前半から突っ走るシーズンにしたい」と言い切った。05年以来の覇権奪回へ、前半戦ダッシュを理想に掲げた。

 かつて、鳥谷ら若きナインが金本知憲氏の背中を追ったように、いまはプロ野球歴代3位の1322試合連続出場中の鳥谷が先導役になる。レギュラー野手ただ1人のV戦士が、自らのバットで、いばらの道を切り開く。【酒井俊作】

 ▼阪神の打者でシーズン3割、20本塁打、100打点をそれぞれクリアしたのは、49年藤村富、別当から08年金本まで過去6人、11度。昨季セ・リーグではDeNAブランコ(3割3分3厘、41本、136打点)、ヤクルト・バレンティン(3割3分、60本、131打点)の2人が達成。最近のセ日本人では、12年に巨人阿部慎之助(3割4分、27本、104打点)が記録。なお全試合に遊撃手として出場しこの条件をクリアすれば、プロ野球初。