巨人阿部慎之助捕手(34)が角界の救世主、遠藤のような、そんきょの姿勢を取る。キャンプ地宮崎での合同自主トレ初日の28日、契約するアシックス社の新型スパイクをテスト導入した。ソール部分が改良され、捕球体勢の負担軽減をもくろむ。

 本格始動の日に、阿部の足元が新調された。靴底のかかと部分の刃が3枚から2枚に減少。足指関節部には低硬度のナイロン樹脂を配置し、屈曲性が高まった。重量は昨季タイプより約15グラム減の313グラム。つまり新技術が効果を最も発揮するのは、つま先立ちになる捕球体勢だ。「今日から履いたばかりで、まだ実感は分からない。でもソールが曲がりやすいので負担が軽くなると聞いた。良ければ使っていきたい」と感触を確かめた。

 捕手の構えは、力士の構えに通ずるものがある。「そんきょの姿勢と似ていますね」。今、角界で大ブレーク中なのは、ザンバラ頭の遠藤だ。下半身の粘りと、そんきょの美しさに定評がある。「(遠藤の)相撲は見たことがないけど、強くて話題になっているらしいですね。修一(村田)に似ているみたいですし」。ルックスはチームメート似?

 だが、大地に根を生やしたような構えは、阿部のドッシリとした捕球体勢に相通ずるものがある。

 合同自主トレ初日はノック、ティー打撃などシーズンを戦うための土台づくり。土台をさらに足元で固める。野球界を盛り上げるヒーローは、今年も阿部だ。【広重竜太郎】