中日森繁和ヘッドコーチ(59)が28日、沖縄・北谷の1軍合同自主トレを初めて視察し、ドラフト2位又吉克樹投手(23=四国IL・香川)に一目ぼれした。ブルペンを視察。中でもサイド右腕の投球術に即戦力の期待を高め、18日の巨人戦デビュープランを明かした。2年目左腕浜田の進化も評価。V奪回へ、孝行息子続出の予感だ。

 又吉が面白い?

 浜ちゃんも面白い?

 もちろんお笑いの話じゃありません。キャンプ地で若手8投手のブルペンを初視察した森ヘッドが絶賛したのは、人気お笑い芸人と同姓の両投手だった。

 森ヘッド

 又吉は違う。人と違う所から投げられるのは一番の長所だ。普通に投げれば一番結果を出しやすいタイプでしょ。1人ああいうのがいれば面白い。

 辛口でならすコワモテがうなった。友利&近藤の両投手コーチと見つめた右横手からの35球。評価したのは打者にボールの出所の見づらいフォームに加え、最速148キロの真っすぐを生かす魔球だった。

 森ヘッド

 いいシンカーが行ってたね。特に右の外国人に効くんじゃないか。

 スライダーやカットボール、フォークやカーブも操る魔術師だが、着目したのは右打者の外角に沈むシンカー。この武器があれば強力な助っ人4番も牛耳れるとの太鼓判だ。しかも本人は「本当は左打者の方が得意なんです」と、右サイドの弱点常識に反して怖いモノなしを強調。では注目のデビュー戦は?

 今季初実戦の15日KIA(韓国)戦もある?

 森ヘッド

 いや、新人に初戦は投げさせん。先輩がボコボコ打たれるのを見てから投げさせる。その次ぐらいじゃないかな。目立てば頭(先発)になるかも。

 ほのめかした「次」とは実戦2戦目となる18日、那覇での練習試合・巨人戦だ。浦添市出身の又吉にとって、同郷宮国との投げ合いも熱望するひのき舞台。長野や村田、坂本、ロペス、さらに阿部らまでなで斬りにすれば、開幕1軍&開幕ローテがグッと近づく。

 森ヘッド

 浜田もまとまってた。今日(の収穫)は横の又吉、左の浜田だな。

 2年目浜田の進化にも目を見張った。日本ハム大谷、阪神藤浪と同期生も1年目は結果を残せず。だが昨秋、上手を愛工名電時代に名を売ったスリークオーターに戻し、課題の制球力を身につけた。こちらは15日のKIA戦に指名される可能性が十分ある。

 苦しい台所事情から、27日には友利コーチが岩瀬を除く全員の先発テストを予告したばかり。大勢の中から又吉&浜田が抜け出すのか。ブレークの機会は逃さない。【松井清員】

 ◆又吉克樹(またよし・かつき)1990年(平2)11月4日、沖縄県浦添市生まれ。西原-環太平洋大を経て、13年に四国IL・香川に入団。1年目から最多勝でMVPを獲得した。変則サイドスローから繰り出す最速148キロの直球が武器。昨年ドラフト指名順位の2位は、四国IL史上最高位。180センチ、74キロ。右投げ右打ち。背番号16。