ソフトバンク李大浩内野手(31)が球団では9年ぶりの「30本塁打&100打点」をぶち上げた。29日、故郷の韓国・釜山から来日し、ヤフオクドームで会見。球界最重量の130キロをキープしながら直前の自主トレで鍛え上げた自信はたっぷり。チームの優勝を約束し、「釜山の英雄」から「福岡の英雄」になると誓った。

 李大浩は広報大使を務めるエアプサンの航空機でやってきた。故郷からわずか50分の新天地。「初めて飛行機で福岡に来たが、近いと思った。機内で新聞を2面見ていたら到着しました」。日焼けした顔で笑いながら、会見で2つの数字を意識した。「30本は基本として打ちたいと思う」。さらにオリックスでの2年間を振り返って「100打点に足りなかった。もう少しチャンスで打てていれば…」と言った。2年連続で91点。自分の仕事は分かっていた。

 球団の「30本塁打&100打点」は05年に平成の3冠王の松中が達成して以降いない。韓国で3冠王2度の男はそのブランクを埋める自信がある。WBCの昨年に比べて体力強化の時間を確保でき、「体はいい状態。チームに合流して練習するのが楽しみ」という。4日から26日までのサイパン自主トレは休日にゴルフで36ホールを回るなど“無休”だった。昨年不足したウエートトレーニングを課し、筋肉をつけた上で、球界最重量の130キロをキープしたままだから驚きだ。

 指揮官から手形こそ出なかったものの「4番を任されたら他の選手にとられないようにする」と4番死守を誓い、「たくさんお金をいただいて入団したので応えたい」と覚悟をにじませた。今季年俸は4億円。2年契約ながら3年目のオプションを行使し、出来高も全額支払われると、総額20億円を超えるとされる。晴れの席で、大型条件に伴う義務を肝に銘じた。

 「釜山の英雄」と呼ばれた李大浩は「正直、走者がいると楽な気持ちで打席に入れ、楽しい」とあらためて打点量産に色気をだし、「頑張って福岡の英雄になりたい」と続けた。日本語でのメッセージを求められると、「2014年、頑張ります」とひと言。V奪回の鍵はこの男にかかってくる。【押谷謙爾】