昨季60本塁打のホームランキングが、やる気満々の“やるキング”に変身した。ヤクルトのウラディミール・バレンティン外野手(29)が29日、都内の球団事務所で会見を行い、一連の逮捕騒動について謝罪した。2月1日からの春季キャンプのため今日30日に沖縄入りするが、到着後、即打撃練習を志願。キャンプ初日のフルメニューにも意欲を見せるなど、名誉挽回と4年連続本塁打王獲得に向け、燃えている。
バレンティンが、けじめをつけた。妻への監禁・暴行の疑いで逮捕されてから17日目。テレビカメラ12台、報道陣約80人の前にスーツ姿で登場すると、5秒間深々と頭を下げた。紙に書いた文章を読みあげるだけだった米マイアミでの会見と違い、カンペはなし。「ファンのみなさま、チームメートにもご迷惑をかけてしまった。いいプレーをして謝罪の代わりとさせていただきたい」と硬い表情で誓った。
有言実行のため、早速動く。今日30日午前、チーム便でキャンプ地の沖縄に入る。28日に来日したばかりだが野球用具は搬送済み。「荷物整理をして時間があれば打撃ケージに入ってちょっと打ちたい」と特打を志願した。2月1日のキャンプ初日についても、小川監督は別メニュー調整も選択肢にしていたが「間に合ったのでチームと一緒に練習したいと考えている。別メニューで練習しなきゃいけないとは思っていない」とフルメニューを望んだ。
態度で示すしかないと分かっている。事件後は拘束もされ、調整どころではなかった。だが、投げやりにならなかった。人目を避けつつ、屋外でキャッチボールや打撃練習を敢行。バレンティンのスカウトでもある奥村編成部国際担当次長は「(来日)1年目は何もせずキャンプに来て打撃ケージから球が出なくて、キャッチボールも5メートルで暴投。今回はできることはやっている」と“改心”ぶりを口にした。
だからこそ、数字の目標は言わず「目標は優勝」とした。昨季60本塁打のプロ野球新記録を打ち立てた。「60本塁打とは言わないが、去年と同様かそれ以上の活躍をして、結果的にチームの勝利のためになれば」とフォア・ザ・チームを強調した。全力疾走を怠って怒られたこともあったが「一生懸命野球をやるのが自分のスタイル。そういう姿を見せたい」と汚名返上を誓った。
元来、切り替えは早いタイプだ。4年連続本塁打王への自信を聞かれ「ワカラナイネー」とちゃめっ気たっぷりに答えた。「まずは一生懸命練習してシーズンに備えることだけ考える」。会見で騒動に区切りをつけた主砲は、すでに前だけを見据えていた。【浜本卓也】<事件経過と今後>
◆逮捕
13日(米国時間12日)。米フロリダ州マイアミ近郊の自宅でカルラ夫人への監禁・暴行容疑で逮捕された。
◆発覚
14日(同13日)。事件が公になり、ヤクルト球団が会見を開いた。
◆渡米
15日(同14日)。バレンティンをスカウトした奥村編成部国際担当次長が緊急渡米。
◆保釈
16日(同15日)。5万ドル(約525万円)の保釈金支払いと妻への接触制限を条件に保釈。
◆会見
17日(同16日)。米マイアミのホテルで謝罪会見。「出直しのチャンスを下さい」と深々と頭を下げた。
◆出廷
24日。米マイアミの裁判所に出廷。日本への渡航が許可された。
◆会見
25日。ヤクルト衣笠球団社長が休日返上で対応。ビザを取得していたことを明かした。
◆来日
28日。
「日本に来られて良かった」と安堵(あんど)感を浮かべた。
◆キャンプイン
2月1日。ユニホーム姿で同じメニューを行うことを希望。
◆審理
同3日。米マイアミで行われるが、本人は出廷せず弁護士が対応。
◆初実戦
同16日。KIA(韓国)戦がチーム初実戦。調整が順調にいけば出場も!?
◆会見
29日。球団事務所で。「今できることは謝罪することだけ。いいプレーで子供のファンに謝罪の代わりとさせていただきたい」などと謝罪。
◆合流
30日。チーム便で1軍キャンプ地の沖縄・浦添入りする予定。



