石直球見せつけた!

 阪神の新守護神、呉昇桓(オ・スンファン)投手(31=韓国・サムスン)が29日、沖縄・宜野座球場で合同自主トレに参加。サブグラウンドでのキャッチボールで、初めてチームメートと組んだ。石直球と呼ばれるほど威力のある直球で、新品だった岩田稔投手(30)のグラブは柔らかくなり、捕球の型が出来上がった。また、宜野座ブルペンの一部を甲子園仕様に仕上げ、守護神をサポートするプロジェクトが進行中であることも分かった。

 呉昇桓の直球が岩田のグラブを甲高く鳴らす。おろし立ての黄色のグラブは、キャッチボールを終えると明らかに柔らかくなっていた。初めてチームメートと組んだキャッチボール。韓国球界最多277セーブを積み上げた右腕の武器が威力を発揮した。

 最後までボールを体に隠して投じる独特のフォーム。ストレートは韓国で石直球の異名を取ったほど重く、力強い。「グラブ(の型)が早くできそうな球でした。本気で投げてないでしょう」。岩田は目を丸くしながら重い直球を証言した。

 呉昇桓

 それはいいように言ったんだと思う。キャッチボールをしてみていろいろ分かったし、他の選手ともやってみたい。

 チームに合流して3日目が終わり、チームメートともうち解けてきた。控室では能見と談笑し、サブグラウンドでのランニングでは江口通訳を交えて、秋山ら若手投手と言葉を掛け合った。「一緒にいる時間がたてばたつほど、もっと仲良くなったり、話しやすくなると思う」と表情も明るかった。

 次第にベールを脱いでいく新守護神。その活躍をサポートしようと、秘密裏に遂行されるプロジェクトも明らかになった。宜野座球場のブルペンのマウンドを、甲子園仕様にするというものだ。6カ所あるマウンドのうち、3カ所に手を入れる。「傾向があれば調整していきたい」と、呉昇桓が好んで使う場所を組み込む。“スンファンマウンド”を作るのだ。

 甲子園のグラウンド整備を行う阪神園芸の関係者は「甲子園はドームなどの赤土で作られたマウンドとは違って、独特な部分がある。これまでの球場とは違うと思うので」と説明。韓国のマウンドは比較的硬いとされ、甲子園のマウンドは柔らかいとされる。硬さ、傾斜まで忠実に再現し、聖地のマウンドにスムーズに上がれるようにサポートする。キャンプ前にも土を掘り起こし、持参した甲子園の土を埋める。

 再現マウンドで体を慣らし、3月7日から5試合組まれている聖地でのオープン戦のどこかで実際にマウンドを踏む。石直球の披露が待ち遠しい。【池本泰尚】

 ◆甲子園のマウンド

 毎年決まっているわけではないが、岡山県日本原、鹿児島県鹿屋、鳥取県大山などの土をブレンドした黒土に、赤土を混ぜた仕様。赤土を主に使うドーム球場より柔らかいとされる。球団の要望に応じて阪神園芸が対応。宜野座球場のブルペンは黒土のマウンドで、今回は持参した赤土をブレンドして甲子園仕様に近づける。