エルナンデス、守備うまいんです!?

 中日の新外国人アンダーソン・エルナンデス内野手(31=メキシカンリーグ)が30日、守備のレジェンドから太鼓判を押された。辻発彦内野守備走塁コーチ(55)が沖縄・北谷で行われている合同自主トレを初視察。ゴールデングラブ賞8度の名手が、柔らかくバネのある守備を絶賛した。春季キャンプで正遊撃手の座をかけたエルVS周平のゴングが鳴る。

 日本を代表する守備職人がエルナンデスの動きにくぎ付けになった。打球を追いかけて捕球、間髪入れず強いボールを送球する。一連の流れは実にリズミカルで、音楽に合わせてダンスを踊るよう。本格的なノックではない段階から、初めて見た辻コーチはあんぐりした。

 「リストが強い。日本人にはマネできない守備をする。グラブの使い方がうまくてボディーバランスがいい」

 二塁手で歴代最多のゴールデングラブ賞8度の名手を驚かせ、絶賛させた。守備こそがエルナンデスの最大の武器で、売りなんです!?

 こだわりはドミニカ共和国でも“花形”と言われる遊撃手だ。守りたいポジションを「ショートだよ」と即答した。「どんどんアピールしたいね。心がけていることはバランスだね。ゴールデングラブ賞を8度も取った人なのか?

 是非、学びたいね」。守備の話題に、陽気なドミニカンがさらにおしゃべりになる。

 エルナンデスが名乗りを上げ、ガチンコのポジション争いが幕を開ける。合同自主トレの打ち上げで、明日から球春到来のキャンプがスタート。辻コーチは「初日の(遊撃の)ノックはエルナンデス、周平、直倫、森越」と新助っ人を遊撃手候補として組み込むことを明言。その上で「注目はあの2人」とエルナンデスと高橋周をジロリ。「最後は総合力の勝負になるけど、守りもしっかりしないといけない」と注文し、エルVS周平をあおった。

 来日2日前まで母国ドミニカ共和国のウインター・リーグに参加していたエルナンデスは、後ろ髪を引かれる思いで現地を離れた。所属していたチームがチャンピオンになったというニュースも届き、大喜び。「俺は10年間で4つのチャンピオンリングを持っている。勝ち運を持ってるからドラゴンズにとってもいいはずだ」。自信満々のエルナンデスが、ショート高橋周に「待った!」をかけるんです。【桝井聡】

 ◆アンダーソン・エルナンデス

 1982年10月30日、ドミニカ共和国サントドミンゴ生まれ。01年タイガースと契約。05年にメッツ傘下に移籍し、同年メジャー昇格。昨季はメキシカンリーグで66試合に出場し、11本塁打、41打点、打率2割9分5厘。「ゴールデングラブ賞は3Aで3回、ドミニカで2回。尊敬する選手はオジー・スミス」と守備力をアピールする。家族は夫人と2男。178センチ、87キロ。右投げ両打ち。