中日谷繁元信兼任監督(43)が1月31日、30秒所信表明で「日本一」を誓った。沖縄・恩納村宿舎でのキャンプイン前夜の全体ミーティングは前代未聞の15分終了。新監督のシンプルなゲキが、超速散会の要因だ。一方で今日1日から始まるキャンプは、落合監督時代に匹敵する時間無制限の地獄練習を課す。トークは短く、練習は長く?

 妥協なき谷繁流のV奪回キャンプがスタートだ。

 わずか15分だった。キャンプイン前夜。落合GMも加わり、恩納村の宿舎で行われた全体ミーティングは、前代未聞の速さで終了した。落合監督時代は30分~1時間、大の話し好きだった高木監督時代は1時間以上…。異例の時短に一役買ったのは谷繁新監督だ。この日が就任後初めての1、2軍全ナインとの顔合わせ。所信表明のゲキがたった30秒足らずだったことで、スピード散会が実現した。

 谷繁兼任監督

 ひと言しか言ってません。「日本一を目指してやっていく。そのために同じ方向に向いてくれ!」と言っただけ。

 会は佐々木球団社長の激励に始まり森ヘッドら新コーチ陣、小笠原ら移籍組、ゴメスら新外国人、ドラ1鈴木翔ら新人の順で自己紹介。大トリが谷繁監督で、決意はシンプル・イズ・ベストの「日本一」だった。15分終了について「僕にまだ器量がないんじゃないですか、長話ができる」と笑ったが、元来、長話は好まない。プロなら“1を聞いて10を悟れ”が谷繁流だ。

 谷繁兼任監督

 個人の課題に向かいながら、チームの目標に向かうためには何が必要なのか。単純に打つ、投げる、走るしかない。その中身を個人がどれだけやれるかでしょう。やらされるのでは身にならないので。

 短いゲキに込めたのは自覚だ。できない選手は脱落していくだけ。ただし、そのための時間はこの1か月間、十分与える。この日発表された初日の投手メニュー表からは、これまであった練習時間欄が消えた。野手も午前11時の着替え&キャッチボール後の時間欄が空白。A4の紙1枚が、朝から日没までの時間無制限キャンプを連想させる。所信表明は短く、練習は長く?

 落合監督時代以来の地獄トレが復活する。

 谷繁兼任監督

 僕は選手の立場もあるので、(監督の)スイッチは入れたり切ったりですね。明日はブルペンにも入るし、もちろん自分の練習が終わったら全体を見て歩くつもりですよ。

 野村克也、古田敦也に次ぐ兼任監督生活が本格スタートする。スローガンは「Start

 it

 Again

 強竜再燃」。今日からまとう新戦闘服は1954年(昭29)にリーグ制覇&日本一と唯一、完全優勝を果たした当時の復刻版だ。谷繁丸に妥協はない。ナンバーワンだけを目指し、さあ出航だ。【松井清員】