プロ野球の春季キャンプが1日、各地でスタートし、球春到来を告げた。

 壮絶なサバイバルを予感させる幕開けだった。巨人キャンプ初日に、杉内、内海ら1軍の全18投手がブルペン入り。超異例の早仕上げで、首脳陣も驚嘆するスタートとなった。斎藤投手コーチは「フルゲートオープンだったね。プロ野球に30年いますが初めてだと思います。ベテランは危機感を持ってやっているし、若手は追いつけ、追い越せという感じ。競争意識が高いね」とご満悦だった。

 中身の詰まったブルペン投球だった。ムードを作り上げたのは、杉内、内海ら主力選手だった。杉内は力いっぱい腕を振り抜き、内海はフォームのバランスを確認しながら、丁寧に投げた。西村はただ1人、立ち投げだったが、自らのテーマに直視した結果。3年目の今村はキレと制球を存分にアピールした。沢村は「少し、力んでしまった」と言ったが、独特な雰囲気と無縁ではなかった。

 18人の躍動する姿に、チームのシンの強さを感じたのは原辰徳監督(55)だった。「これから(技術を)研いでいく時期だが、全員が非常に高い位置にいる。肩を作ろう、という人が1人もいない。このチームの特徴だと思うが、チーム内のしのぎ合いがあるチームだと思った」と評した。誰ひとり慢心はなく、あるのは向上心と競争意識、そして日本シリーズで敗れた昨季の雪辱。「それだけ危機感を持ってやっているということ。最高のスタートです」。エース内海の言葉が全てを物語った。【久保賢吾】