いろいろ難題がありまして…。ソフトバンク正捕手争いをカラー問題が左右する?

 細川亨捕手(34)が7日、突然降って湧いたミットの悩みを明かした。先月10日にグラブに白色を使用することが禁止に。対応するためにミットを改良したが、ヒモを替えたら使い心地がまったくの別物に。戸惑ったのか、ボールを前にはじく場面もあった。

 困った表情で細川は「もっと猶予期間が欲しい。いきなりですからね」と漏らした。先月10日にプロ・アマ合同の野球規則委員会で今年から投手だけでなく白いグラブはすべて禁止となった。投手がターゲットとして見やすくするためにミットの内側上下を白にするのもダメになった。

 昨年112試合マスクをかぶった細川は黒に白のミットを使用。西武時代から6、7年使用している。「白いヒモの部分を取り換えて、白い部分は黒く塗りました。(見た目も感覚的にも)全然違うものですよ」。ガチガチに硬い新品を3年かけて使えるよう育てた。その愛着あるミットは、このクールからまったく違うものに…。予備のミットはあるが、やはり信頼感は違うだけに問題は大きい。

 ソフトバンクのキャンプに来ている森健次郎審判(50)は「米国が昨年から禁止になっていて、日本も今年から合わせます」と説明。前日6日には赤×白の高谷も審判団に指摘された。高谷は「昨年慣らして今年試合で使おうと思っていた。ルールなので仕方ない。塗料で赤く塗るようにしますが、重さがどうなるか」とコンマ数秒の動きが変わることを危惧した。

 A組(1軍)に抜てきされた4年目拓也も赤×白。「3日前に知ったので油性マジックで黒く塗りつぶしました」。育成から支配下になったばかり、年俸500万円ならではの涙ぐましい対応だ。日本ハム時代からオレンジ×黒だった鶴岡だけは影響なし。思わぬ形で鶴岡が正捕手争い1歩リード?

 【石橋隆雄】

 ◆グラブのルール改正

 1月10日のプロ・アマ合同の野球規則委員会で決定。これまで制限がなかった野手のグラブの色についても規定を設けた。守備位置を問わず、パントーンの色基準14番より濃くない色の使用を禁止。グラブがボールの色に近いと、地面すれすれで捕った場合にダイレクトかワンバウンドか確認しづらいため。キャンプ中に審判団が各選手のグラブをチェック。外野手城所の薄い黄色のグラブも注意されたが、こちらはギリギリセーフとなった。