西岡先輩、丸刈りはいやっす!

 3年目で初沖縄キャンプでハッスルする阪神西田直斗内野手(20)が19日、楽天との練習試合で1発を放った。2回に右翼へソロ。大阪桐蔭の先輩西岡から「打たなかったら丸刈りにするぞ」と脅されて(?)いた期待の内野手は、1発を含む2安打3打点と大暴れで、罰則回避どころか強烈なアピールに成功した。

 打球を見つめる西田は心なしか、祈るような表情だった。2回、楽天の左腕ブラックリーの高めに浮いた球をとらえた。体を開かずにたたいた打球は右翼ポール際を切れることなく伸びていった。今キャンプ初長打をアーチで飾った。1人の若者が、バリカンの恐怖から解放された瞬間だった。

 「じつは試合前、西岡さんに『試合でずっと打てへんくって、今日も打たんかったらバリカンで丸刈りやぞ』と言われていたんです。死ぬ気で打ちました。バットに当たってよかった。ファウルかと思いましたがいい形で打てました」

 苦笑いでこう明かした。大阪桐蔭の先輩西岡から“恐怖のノルマ”を突きつけられていた。高校時代に逆戻りするかのような丸刈りだけは…。必死さがにじみ出た1発だった。

 ここまで実戦3試合で単打2本。アピールすべき打撃で結果が出なかった。そんな時、トンネル脱出のきっかけをくれたのも西岡先輩だった。

 「練習で120%の力でやるようにしたらよくなった。西岡さんに教えてもらったんです。ガチガチに力んでやれば、試合では楽に打てると。ホームランも楽に振れました」

 遊撃守備では失策もしたが、猛攻の5回にはしぶとく左翼線に落とす2点適時二塁打。和田豊監督(51)は「打つ方はいいものを持っている。1点を取ることの大切さ、1点を防ぐ方に力を入れてね。本人も十分わかっている。失敗したら練習すればいい」とプラスの評価を下した。“いい先輩”を持った3年目西田が、開幕1軍レースに名乗りを上げた。【鈴木忠平】