味方で良かった~。阪神新井貴浩内野手(37)が20日、宜野座球場で行われた紅白戦で3安打3打点と大爆発した。エース能見からタイムリーを放つと、藤浪からもヒット。さらに新ストッパー呉昇桓からは特大2ランと猛虎が誇る主力投手を打ち砕いた。下半身のパワーを最大限に生かす“内股打法”で確実性も、飛距離もアップ。調整が遅れ気味のゴメスを尻目に、4番レースを快走だ。
主役は新井だった。最終イニングの6回、新ストッパー呉昇桓のスライダーをバットに乗せるようにとらえた。力みのないスイングではじかれた白球はどんどん伸びた。そのまま左中間席へ。リラックスしたスイングからは予想できない飛距離。まさに新打法の威力を証明する1発だった。
「自分が取り組んでいるところができてよかった。下半身の力をバットに伝えることができた。ヘッドが走って、うまく抜けた」
どうだと言わんばかりの笑みで手ごたえを語った。それもそのはず。猛虎が誇る主力投手をことごとく打ち砕いたのだ。初回、先発能見から中前打。4回には他の打者が当てることすら苦しむ藤浪の剛速球を右前にはじき返した。そして最後は“石直球”の呉昇桓から特大弾だ。
30本塁打をノルマにした今季は新打法に取り組んでいる。両足のつま先を内側に向け、下半身から生まれたパワーを逃がさない。それを最小限の動きで最大限にバットへと伝える。軽く振ったように見えて、打球が伸びていくのが特長だ。
飛距離だけではない。この日、新井がバットを振ったのは4度だけ。うち3度を結果につなげた。ミスショットが減り、打球をとらえる確率が上がった。和田監督も「打ち損じが少なくなっている」と認めた。パワーも、確実性も。完成すれば、まさに鬼に金棒の“3冠打法”だ。
試合後、新井のインタビュー中にトレーニング室の窓から冷ややかな視線を送る男がいた。能見だ。新井
うわっ、なんか、冷たい視線を感じる。能見
味方殺し!
実戦初登板の主力投手から主役を奪ったことに対する抗議だった。
「ポジションを保障されてないわけですから、今までのようにのんびり調整という感じはまったくない」
体調不良などで調整が遅れ気味のゴメスを尻目に、新井はギラギラしたオーラを発散していた。【鈴木忠平】



