<オープン戦:巨人2-10DeNA>◇22日◇沖縄セルラー那覇

 マシンガン打線復活だ!

 DeNAが、長打なし、単打ばかりの13安打で10得点を奪い、オープン戦の初戦を制した。2回、巨人のエース内海から7安打で一挙に8点を奪うなど、日本一に輝いた98年当時の打線を思い出させる、つなぐ攻撃だった。昨年5勝18敗1分けと苦手にしていた巨人に大勝し、中畑清監督(60)もニンマリ。初のクライマックスシリーズ(CS)出場へ向け、幸先のいいスタートになった。

 まるで16年前を見ているようだった。2回表、2本の単打と四球で無死満塁を作ると、多村が巨人内海の139キロの真ん中高めに入った直球をコンパクトに中前へはじき返した。さらに2死二、三塁では、ブランコも直球を大振りせず左前打とした。長距離が期待できる打者もつなぎの打撃に徹して一挙8得点のビッグイニングとし、中畑監督は「長打で一気に点を取るより、単打でつなぐ方が相手には一番のダメージになる」と満足そうに話した。

 オープン戦とはいえ、巨人が相手とあり勝利にこだわった。自身の古巣というだけではなく、監督就任からの2年間で通算9勝35敗4分けと、大きく負け越しているからだ。悲願のCS進出を果たすためにも、乗り越えなければいけない壁で「巨人に勝ち越さないと優勝はない」と繰り返してきた。初戦が巨人と知った時は「オープン戦だからそこまで意識しない」と言っていた中畑監督だが、やはり全力で勝ちにいった。

 采配は本番さながらだった。初回には、無死一塁で白崎にバスターエンドラン。遊ゴロ併殺に終わったものの、2回無死一、二塁では黒羽根に犠打を命じ、これが安打となってチャンスを広げた。試合前に「ミスはある。積極的なミスはいい」とゲキを飛ばしていた通り、積極策がつながりを生んだといえる。

 「オープン戦だけど、内海から打ったのは大きい。イヤなイメージを持ったんじゃないか」。まだオープン戦1試合を終えたばかりだが、この手応えを公式戦へつなげていく。「ちょっと出来すぎ。なるべく(喜びを)出さないようにセーブして…西武ライオンズじゃないよ!」。ギャグのキレ?

 は昨年までと同じだが、チームの戦いはちょっと違う。マシンガン打線が復活すれば、もちろん初のCSが見えてくる。【細江純平】

 ◆マシンガン打線

 38年ぶりにリーグ優勝した98年の横浜は、石井琢-波留-鈴木尚-ローズ-駒田-佐伯(中根)-進藤-谷繁と中距離打者が連打でつなぐ「マシンガン打線」を形成した。権藤監督があまり犠打を使わず奔放に打たせ、鈴木尚は2年連続首位打者。本塁打はリーグ3位の100本ながら、リーグトップのチーム打率2割7分7厘、642得点で圧倒した。翌99年のチーム打率2割9分4厘はセ・リーグ記録として残る。