<オープン戦:日本ハム8-0DeNA>◇23日◇名護
脳裏をかすめたトラウマは一振りで消し去った。日本ハム中田翔内野手(24)が、死球の恐怖を乗り越えてオープン戦第1号となる推定150メートル場外弾を放った。4回2死一、三塁、制球の荒れていた北方の初球を狙った。「(死球が)怖いなと思って、早く(打席を)終わらせたいなと1球目から打ちにいった」。直前に陽岱鋼が左手付近に死球を受けた。この日最速153キロを記録していた剛腕にぶつけられまいと早めの勝負を仕掛け、仕留めた。
苦い記憶がある。昨年8月22日楽天戦(Kスタ宮城)で、美馬から死球を受けて左手第5中手骨を亀裂骨折。シーズン最終盤に復帰できたが、勝負どころでチームを離脱した。現在は開幕前の大事な時期だけに「1球に集中していた」。恐怖心を押し殺して踏み込んだ。右越えの大きな打球は球場を軽く飛び越え、砂浜まであと50センチに迫る特大弾となった。
栗山監督は4番の勇気をたたえた。「ああいうところでしっかり踏み込めなければファウルになる」と、逃げずに立ち向かった姿を称賛。敵将も脱帽だった。試合後に三塁側ベンチ前でDeNA中畑監督から「ホームランはいいけど、あそこまで飛ばすな。遠慮しなさい」と、口頭で“注意”を受けて苦笑いも「久々に気持ちよかった」。納得の特大アーチで、察知していた危機から脱出した。【木下大輔】



