ロッテ成瀬善久投手(28)が子どもたちのために一肌脱いだ。山室晋也球団社長に直談判し、4月2、3日に来場した子どもたち2万人に、ユニホームをプレゼントすることを決めた。山室社長が11日、「ファンサービスを思って言ってくれたこと。実施すると返答した」と明かした。

 本拠地開幕シリーズの西武戦の2試合。春休み中の子どもたちに来てもらおうという企画で、平日ながらデーゲームで開催する。球団ではファンクラブ会員の子どもだけ5000人にユニホームを配る予定だった。しかし、選手会長の成瀬が「どうせなら来た子供全員にあげてほしい」と提案したことで、考え直した。4倍の予算が必要になったが、山室社長はゴーサインを出した。

 東北ほど注目されていないものの千葉にも旭市や浦安市など東日本大震災の被災地がある。震災から3年のこの日、そういった地域の子どもたちにも夢を与える存在でいたいと成瀬は願う。「彼らにも来てもらいたいし、呼ばないといけない。去年、楽天の優勝で東北は元気になったでしょ。僕らもね」。千葉の子供を勇気づけるのはロッテの使命。日本一に向けて、背負っているものを再確認した。【竹内智信】