<ソフトバンク4-1オリックス>◇13日◇ヤフオクドーム
お待たせ!
ソフトバンクの4番李大浩内野手(31)が古巣オリックス戦で移籍1号を放った。1-0の4回にディクソンから左翼中段へソロを運び去った。前日12日には「野球人生初」という4三振を喫した主砲が目覚め、チームは3連勝で首位タイに浮上。気分の乗ってきた4番打者とともに進撃開始だ。
李大浩のつぶらな瞳はすぐに確信の色を宿した。自分のバットを離れた白球はきれいな弧を描いた。昨年まで在籍したオリックスファンの陣取る左翼スタンドに吸い込まれる移籍1号。「ホームランが遅れて申し訳なかった。やっと出てホッとしています」。開幕から14試合、58打席を要した。“難産”を終えた大男は肩で大きく息を吐いた。
先頭打者の4回。カウント2-1。元同僚ディクソンの真ん中に入ってきた甘いスライダーをさばいた。「塁に出ることを目標に集中していたけれど、たまたま失投を打ち返せた」。ミスを逃さない技術はもちろんのこと、気持ちの切り替えも大きかった。
12日はエース金子に「野球人生で初めて」の4三振を喫した。「3、4打席目はボールを当てにいく意識でいけば打てたかもしれないが、そういうスイングは見せたくない。フルスイングで」。生き様を貫いた結果には「落ち込まない。正直気持ち良かった」と胸を張った。試合前に金子を呼び止めて「なんで俺のところだけ力を入れて投げるんだ」と笑い話にしてしまうほど。「新たな気持ちで入らないと」と、手袋とリストバンドは色を変更し、前日の自分と決別していた。
試合後のお立ち台辞退にも李大浩らしさが表れた。鄭昌龍(ジョン・チャンヨン)通訳に説得されても「まだ1本打っただけ。4番打者だから勝負どころで打たないと」と断ったという。確かに1-0からの追加点。本当の働き方はこんなものではない。4番の仕事に対する誇りがにじんだ。
相手オリックスの選手間で「レアルマドリード軍団」とうらやんだ?
大補強の中でも目玉だった李大浩に1発が生まれ、3連勝。パ・リーグ5球団との対戦を終えて首位タイに立った。「出ると気持ちがいいでしょう。感覚も残るから。昨日はあまりいいところがなかったんで良かったんじゃないの」。秋山監督は主砲の加速を予感したが、李大浩本人は控えめ。「明後日からヒットを狙います。長打はたまたまでいい。狙うと良くない」。本塁打や長打に固執しない。そんな流儀を持つ4番が一番怖い。【押谷謙爾】



