<楽天4-8オリックス>◇14日◇コボスタ宮城

 まさかの乱調で2軍落ちが決まった。中12日で先発した楽天森雄大投手(19)がオリックス戦で3回途中、今季最短でKOされた。1回から制球が安定せず2回0/3を投げ5安打4四球4失点(自責3)で3敗目を喫した。降板後は星野監督の指示でブルペンに直行し、投げ込みを行うほどの乱調で、試合後に2軍降格が決まった。これでオリックスに8連敗となり、借金は今季最大の5となった。

 2連勝から一転、森が再び2軍に戻ることになった。立ち上がりの1回。2死を取ってから失点した。オリックス糸井に外角高め120キロのスライダーを右中間へ運ばれ二塁打を打たれる。続くペーニャに四球。2死一、二塁にするとT-岡田に中前適時打を浴びた。続く2回も2死から連打を浴びて失点。嫌な流れを止められない。制球が安定しないまま3回に入ると再びT-岡田、坂口と連続で四球を与えて無念の降板となった。「大事なところでストライクを取れなかったことが全てです」と肩を落とした。

 1回に33球、2回に29球、そして3回に10球とテンポの良い投球ができなかった。降板後、ベンチに腰を下ろした瞬間に星野監督からゲキが飛んだ。「監督からブルペンで投げてこいと言われたので」とアイシングもせず、そのまま置きかけたグラブを持ちブルペンへと直行した。試合後、星野監督は「ストライクが入らないなら当たり前だろ」と理由を説明した。

 中12日の登板に期する思いがあった。先発ローテーションが1度飛び、中継ぎとしてベンチ入りもした。その際に1試合に何度も肩をつくる大変さや先発が崩れた時の負担を目の前で学んでいた。それだけに「長いイニングを投げられるように頑張ります」と意気込んだが、皮肉にも自己最短でのKOとなってしまった。

 試合後、星野監督は今後について「ちょっと考えるわ」と話していたが、直後に2軍落ちが決定。森は球場に置いてあった荷物をまとめて帰路についた。悔しさを振り払うように「ファームです!

 頑張ります!」と大きな声で話しながらタクシーに乗り込んだ。5試合で2勝3敗、防御率5・40。再び1軍マウンドに上がるため、一回りも二回りも大きくなる。【島根純】